約8か月ぶりのタイガー・ウッズ（米）復帰を、不況にあえぐ米ゴルフ界が諸手を挙げて歓迎している。

　昨年のリーマンショック以降、米国に端を発し、世界中に広がった不況は、ゴルフ界だけでなくスポーツ界すべてに暗雲が立ち込めている。1試合1試合がスポンサー次第というゴルフトーナメントでは、特にその傾向が顕著で、米ツアーも例外ではなく苦しい状態が続いている。

　タイガーの復帰戦は現地時間25日開幕のWGC-アクセンチュア・マッチプレー選手権（アリゾナ州マラナ、ザ・リッツ-カールトンGC）。「すごい数のカメラだよね。朝っぱらからこんなの見たことない」と、ライバルのフィル・ミケルソン（米）があきれ気味に口にするほど、注目が集まっている。誰もがタイガーを待っており、苦しい状況を打破できるのでは、という期待がこの形になって現れたと言ってもいいだろう。

　それだけに、タイガーへの負担は大きい。日本のゴルフ界では、17歳の石川遼の双肩にすべてがのしかかっているといっても過言ではない。だが、33歳のタイガーには、世界中のゴルフ界の行方がかかっている。心配されたヒザの状況は幸い良好なだけに、ムードを一変させてくれることを祈るような気持ちで見守っている関係者も多いはずだ。