タイガー・ウッズ（米） vs. パドレイ・ハリントン（アイルランド）の激闘となったWGC-ブリヂストン招待最終日。タイガーの1打ビハインドで迎えた16番は、2人揃ってティーショットでフェアウェイをはずす展開となった。

　タイガーはフェアウェイに出した後、第3打でスーパーショットを放ってバーディを奪い、ハリントンはミスを重ねてトリプルボギー。明暗が分かれ、タイガーのツアー70勝目で大会の幕は下ろされたのだが、実はこの戦いには知られざる裏側があった。

　タイガーとハリントンの最終組は、規定よりかなりプレーが遅延。バックナインに入ってしばらくは前の組に追いつくための猶予が与えられていたものの、それでも16番のティーで規定より17分遅れていた。そのため、ここで競技委員であるジョン・パラモア氏が計時を宣言したというのだ。

　その影響があったかどうかは定かではないが、2人のティーショットはにわかに乱れ、前述のような結果に終わった。これについてツアーはコメントを控えているが、当事者であるタイガーは試合終了後に「すまない。素晴らしい戦いを（競技委員の）ジョンが邪魔してしまった」とハリントンに謝罪したことを明かしている。

　ハリントンの第3打は池につかまりトリプルボギーにつながったのだが、もしも通常のリズムでプレーできていれば、そんなことにはならなかったはずだとタイガーは話している。周囲に迷惑をかけるため、ゴルフでは嫌われるスロープレー。それでも優勝争いをしている時は自然とプレーが慎重になることは考慮されているはず。なんとも後味の悪い話が漏れてきたものだ。