大会直前まで自分がこの大会に出場することすら知らなかったグラエム・マクドウェル（北アイルランド）が主役の座に躍り出た。

　世界ランクNo.1のタイガー・ウッズ（米）がホストを務めるオフ恒例のチャリティイベント、シェブロン・ワールド・チャレンジ（カリフォルニア州シャーウッドCC）は現地時間5日、第3ラウンドの競技を終了。この日6アンダー66をマークしたマクドウェルが、通算10アンダーまでスコアを伸ばし、前日のトーナメントリーダーY・E・ヤン（韓）とともに首位を分け合った。

　1打差の3位タイに欧州ツアーの賞金王に返り咲いたばかりのリー・ウェストウッド（英）とメジャー通算3勝を誇るパドレイ・ハリントン（アイルランド）が続いている。

　マクドウェルが今大会出場を知ったのは中国で行なわれていたオメガ・ミッションヒルズ・ワールドカップゴルフを2位タイで終えた翌日。交通事故に端を発したスキャンダルでタイガーが大会への出場を見合わせ、その代役として白羽の矢が立てられたのがマクドウェルだった。その彼が第3ラウンドでは15番までに8つスコアを伸ばす猛攻。ヤンが足踏みする間に首位に躍り出ると、終盤スコアを2つ落としたものの、トップタイで3日目の競技を終了した。

　ワールドカップでは10歳年下のローリー・マッキルロイ（北アイルランド）と組んで初日から快調に飛ばし完全優勝目前だったが、最終日に伏兵イタリアチームに逆転で勝利をさらわれ涙をのんだ。その悔しさをバネに、今度こそマクドウェルが頂点を目指す。もし勝てば世界ランクは一気にトップ50入り。そうなれば来季のマスターズへ無条件に出場する権利が生まれる。ヨーロッパから世界に羽ばたくため、マクドウェルはまたとないチャンスをものにするつもりだ。（STATS-AP)