今季メジャーを含む2勝を挙げブレイクしたY・E・ヤン（韓）が単独トップに躍り出た。

　世界ランクNo.1のタイガー・ウッズ（米）がホストを務めるオフ恒例のチャリティイベント、シェブロン・ワールド・チャレンジは、カリフォルニア州のシャーウッドCCを舞台に現地時間4日、第2ラウンドの競技を終了。発熱と悪寒を訴えながら戦ったヤンが7アンダー65の好スコアをマークし、通算9アンダーで初日の4位タイから単独首位に浮上した。

　2打差の2位タイに初日トップ（タイ）のイアン・ポルター（英）、ヤンと同じベストスコアの「65」で回ったケニー・ぺリー（米）、それにメジャー3勝のパドレイ・ハリントン（アイルランド）の3人が続き、ポルターと並び初日首位タイ発進のザック・ジョンソン（米）は通算6アンダーで、ショーン・オへア（米）、リー・ウェストウッド（米）とともに5位タイにつける展開。

　首位のヤンは今年、全米プロゴルフ選手権で最終日にタイガーを逆転してアジア勢初のメジャーチャンピオンの座を射止めている。タイガーが3日目を終えて首位または首位タイに立ったときのメジャーでの勝率はそれまで100パーセントだったが、ヤンが初めてスーパースターの不敗神話を打ち破ったことは当時大きな話題をさらったもの。本来なら今大会を得意とする、ホスト役のタイガーとヤンの因縁の一戦が再現されるところだったが、当のタイガーは交通事故に端を発したスキャンダルが勃発し欠場を余儀なくされ、2人の直接対決が見られなかったことは大いに残念。

　主役なき大会と言われているが、今季のメジャーチャンピオン3人を含む、世界の精鋭18名が出場し華やかな戦いを繰り広げる中、ヤンがトーナメントを引っ張る展開は同じアジア人として誇りをくすぐられる状況だ。果たしてヤンは好調だった今シーズンを最高の形で締めくくることは出来るのだろうか？（STATS-AP)