現地時間8日からのメルセデス-ベンツ選手権（ハワイ州カパルア、プランテーション・コース at カパルア）で早々に幕を開ける米ツアー。最大の注目は、昨年6月の全米オープン以来、左ヒザを手術しリハビリのためツアーを離れているタイガー・ウッズ（米）の復帰時期だ。

　年が明けるまでフルショットはできないという医師の当初の予告とは異なり、すでにタイガーはフルショットを試している。ヒザが完璧な状態でのフルショットは「これまでと違う良い感じ」とコメントしており、ツアーに戻ってきたときにはさらにパワーアップしているに違いない。

　だが、復帰戦となると依然としてハッキリしない。例年、シーズン初戦にしている2月5日開幕のビュイック招待は過去6勝の得意大会。会場のトリーパインズGC（カリフォルニア州サンディエゴ）は、昨季最後の戦いとなった全米オープンと同じ舞台だ。ロッコ・メディエート（米）との死闘は、歴史に残る名勝負だっただけに、そのコースに戻りたい気持ちは強い。しかし、優勝できる状態にならないと復帰はしないと思われることから、3月のアーノルド・パーマー招待が初戦となる可能性もある。いずれにしてもメジャー初戦のマスターズ制覇に向けて、必死のリハビリと練習を続けるはずだ。

　一方、タイガーの留守中にライバル達も奮闘する。メルセデス-ベンツ選手権は、08年のツアー優勝者のみに参戦が許された特別な大会。ところが、タイガーは出場できず、セルヒオ・ガルシア（スペイン）、フィル・ミケルソン（米）、パドレイ・ハリントン（アイルランド）の世界ランクトップ4が欠場。やや寂しい顔ぶれながら、5位のビジェイ・シン（フィジー）、7位のカミロ・ビジェガス（コロンビア）、9位のアーニー・エルス（南ア）を中心に、激戦が予想される。タイガーが復帰するまでの間に、どれほど賞金を稼ぎ自信をつけられるか。まずは序盤戦にかける面々の戦いぶりに注目だ。

　日本勢は今田竜二がただ一人メンバーとしてツアー出場を続ける。昨年初優勝を果たしたことから、開幕戦から出場できる。早い時期に波に乗り、2勝目、そしてメジャーにターゲットを絞りたい。

　また、メジャーについてもタイガー次第という部分は否めない。08年に全英オープン、全米プロを制したハリントンのメジャー3連勝にも期待がかかるが、昨季後半の不調が気になるところ。いずれにしてもマスターズまでの序盤戦に、スタートダッシュをした選手が有利となるはずだ。