復帰3戦目のタイガー・ウッズ（米）の不気味な足音が後ろから聞こえてきた。

　米ツアー、アーノルド・パーマー招待第3ラウンド（現地時間28日、フロリダ州オーランド、ベイヒルC＆ロッジ）で、左ひざを手術し約8か月戦線離脱したタイガーが復活優勝に向けて順位を上げた。この日アンダーパーでプレーした選手がたったの4人。通算スコアでも5人しかアンダーパーがいないという全米オープン並みの難しさになったベイヒルで、ツアー2勝のショーン・オヘア（米）が通算7アンダーで何とか首位を守った。だが、苦しい上がりを強いられ、最後の4ホールで3ボギー。そのオヘアにジワリとプレッシャーをかけたのが、誰あろうタイガーだった。

　5位からスタートしボギー2つが先行したものの、ラウンド中盤に3バーディを奪取。ショット、パットともに今ひとつの中、忍耐強いプレーを続けて1オーバー71でホールアウトした。オヘアとの5打差をキープし、単独2位に浮上。最終日は最終組で直接対決することになり、オヘアに対しさらに強烈な重圧をかけたい。

　だが、追い上げるタイガーも楽ではない。過去5勝した得意大会とはいえ、ブランクから復帰して3試合目。試合勘が戻らない中で苦しんでいる。まだまだ本調子とは言い難く、ちぐはぐなプレーがところどころで顔を出す。それでも、ひざが万全な状態ではない08年の全米オープンでも我慢に我慢を重ねて白星を勝ち取った男だけに、目の離せない最終ラウンドになりそうだ。

　一方、ツアー2勝目を狙う今田竜二も負けてはいない。難コンディションの中、技と忍耐で3バーディ、4ボギー、1ダブルボギーの3オーバー73。通算1アンダーでプレーを終えたが、それでも順位は3位タイのままで、最終日の逆転が可能な位置をキープした。

　元々全米オープンで上位に食い込むなど、厳しい条件には強い今田。それだけに、あと1日しぶといゴルフを披露して、マスターズ前の勝利を目論んでいる。今田と同じ3位タイにザック・ジョンソン（米）、ジェイソン・ゴア（米）。メジャー3勝のパドレイ・ハリントン（アイルランド）は通算1オーバー10位タイにつけている。