米ツアー出場停止処分中のジョン・デイリー（米）が欧州ツアーで復活の兆しを見せた。

　同ツアーのBMWイタリアン・オープン最終ラウンド（現地時間10日、イタリア、ロイヤル・パーク）、首位に5打差の11位タイでスタートしたデイリーは、バックナインで4つのバーディを奪う猛チャージを披露し、5アンダー66。優勝したダニエル・ヴァンシック（アルゼンチン）に6打差ながら、通算11アンダー2位タイに入って実力を示した。

　全米プロ、全英オープンと2つのメジャータイトルを持つデイリーは、コース外でのトラブルが多い。最近では、泥酔して車の中にいたところを通報された。現在は留置場で過ごしたことが原因で、米ツアーから6か月間の出場停止処分を受けている最中。08年末には豪州でラウンド中に撮影しようとしたギャラリーのカメラを取り上げ、林に投げつけるという事件を起こした。現在は止むを得ず欧州に戦いの場を求めて転戦中で、前週のオープン・デ・エスパーニャで31位タイ。そして、今大会の2位タイで自信を取り戻し、6月に米ツアー出場が解禁になるまで復活優勝を飾ることも夢ではなくなった。

　一方、デイリーの追い上げにびくともせず、6打差圧勝を飾った32歳のヴァンシックは、通算17アンダーでツアー2勝目をマーク。1打差首位で最終日を迎え、8バーディ、2ボギーの6アンダー65と目が覚めるようなプレーで一気にライバル達を突き放した。「今日はパッティングが素晴らしかったね。6アンダーか7アンダーのスコアを出そうと思ってアグレッシブにプレーした。今度の目標はメジャー」と胸を張ったヴァンシック。今大会の優勝を飛躍へのステップにしようと野心に燃えている。

　その他、デイリーと同じ2位タイにラファエル・ジャクリン（仏）、ロバート・ロック（英）。地元のフランセスコ・モリナリ（イタリア）が6アンダー65で回り、通算9アンダー6位タイに食い込んだ。