未来のスター候補が『63』で飛び出した。

　現地時間4日、スイスのクラン・サー・シエレを舞台に開幕した欧州ツアーのオメガ・ヨーロピアン・マスターズ。第1ラウンドは19歳のローリー・マッキルロイ（北アイルランド）が8アンダー63と爆発し、2位タイのゲイリー・ヒューストン（ウェールズ）、カイロン・サリバン（ウェールズ）、フリオ・ザパタ（アルゼンチン）に3打差をつけ単独トップに立った。

　4アンダー67、5位タイにピーター・ローリー（アイルランド）、ミッコ・イロネン（フィンランド）らが続き、ライダーカップのメンバーで現在同ツアー賞金ランク3位につけるミゲール・A・ヒメネス（スペイン）は、上がり3ホール連続ボギーでスコアを落としたが、3アンダー68で回り、ニコラス・ファース（スウェーデン）らと並び13位タイにつけている。首位に立ったマッキルロイと同様ティーンエイジャーでプロデビューを飾った日系ゴルファーのタッド・フジカワ（米）は2オーバー73を叩き、106位タイと出遅れた。

「そろそろ、いい頃じゃないかと思う」と、初日にしてすでに優勝を意識するのは『63』の好スコアでトーナメントをリードしたマッキルロイ。つい最近まで史上最年少でのライダーカップ出場を期待する声もあったが、メンバー入りはならず。今週はとにかく目の前のショットに集中するよう心がけている。

「ここ数週間、ものすごく練習を重ねてきた。あまり結果にはつながっていないけれど、ショットの感触はずっといいんだ」と19歳。昨年の全英オープンでローアマに輝いた直後にプロ宣言を行い、プロとして挑んだ欧州ツアー2戦目で3位に食い込み、3戦目で4位タイに入り、一躍脚光を浴びた逸材。しかし今季は出場した試合の約半分で予選落ち。ベスト10入りしたのはアイリッシュ・オープン（7位）とヨーロピアン・オープン（10位タイ）の2回だけ。7月以降はほとんどの試合で予選すら通れず低迷している。

　だがショットの感触が甦った今、手応えを感じている。将来性豊かなマッキルロイに期待を寄せる声は高い。