優勝賞金83万675ユーロ（約1億1,000万円）のビッグプライスをかけた最後の戦いが幕を開ける。

　欧州ツアーの今季最終戦ドバイ・ワールド・チャンピオンシップは現地時間19日、ツアーの本拠地があるUAE・ドバイのジュメイラ・ゴルフ・エステーツ、アースCを舞台に開幕。出場を許された賞金ランキング60位までの実力者が激突する。

　注目はもちろん、混戦となっている賞金王争いだ。先週のUBS香港オープンで単独2位に入ったローリー・マッキルロイ（北アイルランド）がリー・ウェストウッド（英）を抜き、賞金ランキング首位へ浮上したものの、2位に後退したウェストウッド、3位のマーティン・カイマー（独）、4位ロス・フィッシャー（英）までが逆転の可能性を残しており、最後まで賞金王の行方は分からない。

　ゴルフ場が次々に作られている同地にツアーの本拠地を移し、賞金レースのタイトルを“レース・トゥ・ドバイ”と名付け、シーズンを通して宣伝してきた最初の年だけに、だれもがその名誉を手にしようと必死に戦っている。

　ウェストウッドがタイトルを獲れば2000年以来2回目となるが、他の3人は誰が獲っても初めてとなる。特に20歳のマッキルロイが王座に輝けば、現在闘病中のセベ・バレステロス（スペイン）に次ぐ史上2番目の若さでのタイトル獲得となる。

　マッキルロイは優勝しなくても他の3人より良い順位でフィニッシュすれば、タイトルが転がり込むとあって余裕のはずだが「もちろん優勝するつもりでやるよ」と意欲満々。経験豊富なウェストウッドも「勝てばいいんだからシンプルなこと」と一歩も譲らない。

　また、カイマーが「勝つことしか考えていない」と言えば、フィッシャーも「他の3人については何もできないから、自分のゴルフに集中するよ」と虎視眈々と狙っており、グレッグ・ノーマン（豪）が設計したツアー2番目に長いコースの空気は、初日から熱くなりそうだ。