07年のシニア入り以来、ベストフィニッシュが4位タイというフィル・ブラックマー（米）が大逆転勝利をもぎ取った。

　現地時間25日に行われた米チャンピオンズツアーのAT＆T選手権（テキサス州サンアントニオ、オークヒルズCC）最終ラウンド。首位タイに5打差の11位タイからスタートしたブラックマーは、1番のバーディ発進で波に乗ると3番から4連続バーディを奪い、あっという間にリーダーボードの最上段に上り詰める。するとその後も初優勝を狙うとは思えない落ち着いたプレーでノーボギーの7アンダー64をマーク。ただひとり二桁アンダーにスコアを乗せる通算10アンダーで後続を待つことに。

　そして前日トップタイのアンディ・ビーン（米）がバック9で1つもバーディを奪えず通算9アンダーでホールアウトした瞬間、ブラックマーの嬉しい初勝利が決まった。ビーンとともに2位タイに食い込んだのは、出場3試合連続優勝を狙ったジェイ・ハース（米）とトム・カイト（米）。通算8アンダー単独5位にジョン・クック（米）が入り、2年連続賞金王を目指すベルンハルト・ランガー（独）は通算6アンダー7位タイで3日間を終えている。

　勝ったブラックマーはレギュラーツアー時代に通算3勝を挙げているが、プロ入り前に銀行マンを経験したという変わり種。その他、コカ・コーラのトラックの運転手やゴルフクラブの修理工などを経てミニツアーに参戦。段階を踏んでツアーでも活躍するようになった苦労人だ。一昨年シニア入りしてからも優勝争いとは無縁。だが今週は持ち前の飛距離と小技が噛み合い、念願の勝利を手に入れた。