地元勢が出遅れる中、6年ぶりの優勝を狙うマーセル・シーム（独）がスタートダッシュに成功した。

　インドに舞台を移しアジアンツアーとの共催で現地時間の11日開幕した欧州ツアーの新設トーナメント、アバンサ・マスターズ（インド、ニューデリー、DLFゴルフ＆CC）。第1ラウンドの最終ホールをイーグルで締めくくったシームが8アンダー64と爆発し単独トップに躍り出た。

　1打差の2位にインシン・チャン（台）が続き、5アンダー67の3位タイにベテランのバリー・レーン（英）、ロバート-ジャン・ダークソン（オランダ）らがつけている。しかし地元期待のジーブ・ミルカ・シン（インド）はイーブンパー72の平凡なスコアで57位タイと出遅れた。

　単独トップに立ったシームは29歳。大会前に16歳の少女にインドのグリーン攻略法を伝授されて挑んだことが、この日のスタートダッシュにつながったと打ち明ける。「インドのグリーンは芽がきついから我々ヨーロッパの選手がアジャストするのは難しい。でもこちらに来て地元の16歳のスクラッチプレーヤー（ハンディキャップが0のゴルファー）の少女に対応する方法を教えてもらったから大丈夫」と最終9番（10番スタート）で約6メートルのイーグルパットをジャストタッチで沈めて白い歯がこぼれる。6年ぶり欧州ツアー通算2勝目に向け幸先の良い滑り出しとなった。

　一方、日本勢は谷原秀人が1アンダー71で回り36位タイにつけたのが最高。前週タイ（アジアンツアー）で優勝争いを演じ3位に入っている平塚哲二は1オーバー73とふるわず74位タイ発進。アジアンツアーの常連、市原弘大は3オーバー75を叩き104位タイと大きく出遅れた。