初日から首位を快走する伏兵ベン・バーハム（英）が完全優勝に王手をかけた。

　欧州ツアーのオーストリア・ゴルフオープン（オーストリア、ファンタナGC）は現地時間の19日、第3ラウンドの競技を終了した。単独トップからスタートしたバーハムは出だしの1番で幸先の良いバーディを奪った後、7番パー3でダブルボギー。しかし中盤以降持ち直し、4アンダー67にスコアをまとめ、通算17アンダーで依然トップの座をキープした。

　バーハムに3打差の2位に前週も優勝争いを演じているソレン・ハンセン（デンマーク）が続き、通算13アンダー単独3位に歴代チャンピオンの1人であるリチャード・グリーン（豪）。地元期待の06年大会王者、マーカス・ブリアー（オーストリア）も通算9アンダーで前日の11位タイから7位タイに順位を上げている。

　しかし注目は何といってもツアー未勝利のバーハム。このまま逃げ切ることが出来るのかが焦点だ。「勝ちたい。勝つことしか考えていない。優勝以外何もいらない」と念願の初Vのチャンスに興奮を隠しきれない。「こういうプレーがしたい、とずっと思ってきたことが今週は出来ている。どんな小さな試合やプロアマですら勝ちたいと思ってプレーしているほど負けず嫌いだから、ここで勝てれば本望」と頭の中には優勝の二文字しかない。

　現在賞金ランクは175位。このまま行けば来季の出場権さえままならない。だがもし勝てば自動的にシードが手に入る。そうすれば今後は結果を気にせず、伸び伸びと自分のゴルフに徹することが出来る。「勝ってシードを獲るのが理想の展開。是非、そうしたいね！」。プロゴルファーであると共に、オフにはクラブでDJを務めるという変わり種が悲願の勝利にエンジン全開で挑む。