史上最年少の17歳で全米アマを制したビョン・フン・アン（韓）の素顔が徐々に見えてきた。全米アマではキャディを務めた父のジャエ氏は卓球の韓国代表として活躍し、五輪でメダルを獲ったこともあるアスリート。そのDNAを受けて育ったアンは6歳でゴルフを始めた。

　ところが、意外にも優勝経験は2006年のナイキ・ゴルフ・ジュニア at マーシャリア・ランチの1度しかない。「2位や3位のトロフィはいっぱいあるんだけど」と、苦笑するほど、勝てない少年だった。だが、人生2つ目のタイトルは全米No.1というでっかいもの。今回の優勝には本人が1番びっくりした。

「目標はマッチプレー1回戦に進むことだった。もちろん決勝に出ることなんか考えていなかったから、ウェアを買いに行かなくちゃいけなかった」とアンは振り返った。それほど本人にとっても家族にとっても、意外だった優勝劇。「僕にとっては本当に大きなタイトル」と歓喜した直後に、「これでみんなが覚えてくれる。来年、誰かに記録を破られるまではね」とジョークまで飛ばした17歳。あどけなさと不敵さが同居した不思議な強さを持っているようだ。