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“らしくないプレー”はあったものの・・・シェフラーが4打差をあっさり逆転!いよいよ年間王者が決まる最終戦展望【内藤雄士のPGAツアーアフタートーク】
2025年8月21日(木)午後2:16

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メリーランド州のケイヴスバレーゴルフクラブで開催されたプレーオフ第2戦目の「BMWチャンピオンシップ」。最終日は、今季全米オープン2位のロバート・マッキンタイアが2位に4打差をつけてスタートしましたが、スコアを3つ落として後退。逆に3つ伸ばした2位スタートのスコッティ・シェフラーがトップに躍り出て、15アンダーで今季5勝目を飾りました。日本人選手は、松山英樹選手が2日目終了時点で7アンダー、4位と期待を抱かせましたが、3日目に崩れ、最終日のフロント9で挽回したものの、最終的には2オーバーの26位タイでフィニッシュしました。同大会の模様を、ゴルフネットワークで解説を務めたプロコーチの内藤雄士さんに振り返ってもらいました。
終わってみれば、スコッティ・シェフラーの優勝。「BMWチャンピオンシップ」でも無類の強さを発揮しました。ただ、今大会に関しては、「シェフラーらしからぬプレー」も随所で見られました。特に、最終日のパッティング。グリーンが速くて難しく、芝の状態によるイレギュラーな転がりもあったのですが、ショートパットをミスしたり、3パットをするなど、珍しく隙をみせていたような感じがしました。しかし、そこはシェフラー。そのようなミスがあっても何ら動じることはなく、自らのプレーを貫き通して勝利を手中に収めました。
プレーの中で圧巻だったのは、17番のチップインバーディー。決めるべきところは決めるところはシェフラーの強さですが、あのようなスーパーショットが出るまでじっと我慢できる粘り強さ、忍耐強さにも改めて感心しました。
その17番のチップインで勝利が決定的になったのですが、勝敗を分けたのは、15番パー4でのバーディーだったような気がします。12番と14番でボギーを叩き、特に14番は短いバーディーチャンスからの3パットだったので、流れを失ったかに思われたのですが、15番のバウンスバックで再び流れを引き戻しました。
最終日、トップでスタートしたロバート・マッキンタイアも、シェフラーに抜かれまいと必死に頑張っていましたが、少し意気込み過ぎたのでしょう。フロント9はティーショットをフェアウェイに運ぶことができず、最終的にはシェフラーに2打差をつけられてしまいました。
一方、松山英樹選手は、26位タイでフィニッシュ。2日目までは、ノーボギーの7アンダーで、「今季2勝目があるかも」と期待したのですが、3日目は出だしからダブルボギー、ボギー、ボギーと3ホールで一気にスコアを4つ落としてしまい、後半もスコアを戻せず19位タイまで落ちてしまいました。ところが最終日のフロント9は、3日目の不調を払拭かのするような気持ちのいいプレーでバーディーを量産。残念ながら、バック9は崩れてしまったのですが、見せ場を作ってくれました。
改めて思ったのですが、3日目に崩れて優勝戦線から脱落したにも関わらず、最終日にもう一度気持ちを取り直して、素晴らしいゴルフをみせるというのは、松山選手に自力のある証拠。今年のこれまでの試合をみても、初戦で優勝した以外は満足のいく内容ではなかったものの、余裕で「ツアーチャンピオンシップ」に進む(ポイントランキング23位)あたりは、さすがというか、“ただ者ではない”ということを痛感しました。
さて、いよいよ次戦は、その「ツアーチャンピオンシップ」です。出場権を得た30人をみると、若い選手が何人か入っているものの、順当な顔ぶれが揃ったといえるでしょう。 まずは、変更になったレギュレーションについて説明をしておきましょう。
昨年までは、1位は10アンダー、2位は8アンダーからスタートというように、フェデックスポイントランキングによってハンデがあったのですが、今年は全員横並びでのスタートになりました。つまり、「BMW」までの成績に関係なく、平等に優勝のチャンスがあるということ。これがいいのか悪いのか、また、選手がどう思っているのかは分かりませんが、順位が上の選手、つまり強い選手がハンデをもらってスタートするのは試合自体の面白みに欠けるということで変更になったようです。
ただ、私が丸山茂樹選手と一緒にPGAツアーを回っているころは、現在のようなプレーオフという制度はなく、同大会は賞金ランキング上位30人が出場できるというシステムだったので、昔に戻っただけという感じがしますし、今年のやり方のほうが盛り上がるような気がします。
注目の優勝争いですが、今年に関しては、シェフラーの強さが際立っていて、「シェフラーを止める人が、果たしているのか」という感じがします。一時のタイガー・ウッズのように、シェフラーが本来の調子を出してしまったら誰も止められないのではないかと。
そんなシェフラーに対して、ローリー・マキロイをはじめとした今季好調の選手がどのような戦いを挑むのか。松山選手も「BMW」の最終日前半のように、流れさえつかめばその戦いの中に割って入ることができるはず。上位選手による“ガチ対決”を、大いに楽しみたいと思います。
(写真:Getty Images)
全盛期のタイガーに匹敵!?ミスにも動じないシェフラー
終わってみれば、スコッティ・シェフラーの優勝。「BMWチャンピオンシップ」でも無類の強さを発揮しました。ただ、今大会に関しては、「シェフラーらしからぬプレー」も随所で見られました。特に、最終日のパッティング。グリーンが速くて難しく、芝の状態によるイレギュラーな転がりもあったのですが、ショートパットをミスしたり、3パットをするなど、珍しく隙をみせていたような感じがしました。しかし、そこはシェフラー。そのようなミスがあっても何ら動じることはなく、自らのプレーを貫き通して勝利を手中に収めました。
プレーの中で圧巻だったのは、17番のチップインバーディー。決めるべきところは決めるところはシェフラーの強さですが、あのようなスーパーショットが出るまでじっと我慢できる粘り強さ、忍耐強さにも改めて感心しました。
その17番のチップインで勝利が決定的になったのですが、勝敗を分けたのは、15番パー4でのバーディーだったような気がします。12番と14番でボギーを叩き、特に14番は短いバーディーチャンスからの3パットだったので、流れを失ったかに思われたのですが、15番のバウンスバックで再び流れを引き戻しました。
最終日、トップでスタートしたロバート・マッキンタイアも、シェフラーに抜かれまいと必死に頑張っていましたが、少し意気込み過ぎたのでしょう。フロント9はティーショットをフェアウェイに運ぶことができず、最終的にはシェフラーに2打差をつけられてしまいました。
一方、松山英樹選手は、26位タイでフィニッシュ。2日目までは、ノーボギーの7アンダーで、「今季2勝目があるかも」と期待したのですが、3日目は出だしからダブルボギー、ボギー、ボギーと3ホールで一気にスコアを4つ落としてしまい、後半もスコアを戻せず19位タイまで落ちてしまいました。ところが最終日のフロント9は、3日目の不調を払拭かのするような気持ちのいいプレーでバーディーを量産。残念ながら、バック9は崩れてしまったのですが、見せ場を作ってくれました。
改めて思ったのですが、3日目に崩れて優勝戦線から脱落したにも関わらず、最終日にもう一度気持ちを取り直して、素晴らしいゴルフをみせるというのは、松山選手に自力のある証拠。今年のこれまでの試合をみても、初戦で優勝した以外は満足のいく内容ではなかったものの、余裕で「ツアーチャンピオンシップ」に進む(ポイントランキング23位)あたりは、さすがというか、“ただ者ではない”ということを痛感しました。
出場30人ノーハンデ最終戦で松山英樹にも年間王者のチャンス
さて、いよいよ次戦は、その「ツアーチャンピオンシップ」です。出場権を得た30人をみると、若い選手が何人か入っているものの、順当な顔ぶれが揃ったといえるでしょう。 まずは、変更になったレギュレーションについて説明をしておきましょう。
昨年までは、1位は10アンダー、2位は8アンダーからスタートというように、フェデックスポイントランキングによってハンデがあったのですが、今年は全員横並びでのスタートになりました。つまり、「BMW」までの成績に関係なく、平等に優勝のチャンスがあるということ。これがいいのか悪いのか、また、選手がどう思っているのかは分かりませんが、順位が上の選手、つまり強い選手がハンデをもらってスタートするのは試合自体の面白みに欠けるということで変更になったようです。
ただ、私が丸山茂樹選手と一緒にPGAツアーを回っているころは、現在のようなプレーオフという制度はなく、同大会は賞金ランキング上位30人が出場できるというシステムだったので、昔に戻っただけという感じがしますし、今年のやり方のほうが盛り上がるような気がします。
注目の優勝争いですが、今年に関しては、シェフラーの強さが際立っていて、「シェフラーを止める人が、果たしているのか」という感じがします。一時のタイガー・ウッズのように、シェフラーが本来の調子を出してしまったら誰も止められないのではないかと。
そんなシェフラーに対して、ローリー・マキロイをはじめとした今季好調の選手がどのような戦いを挑むのか。松山選手も「BMW」の最終日前半のように、流れさえつかめばその戦いの中に割って入ることができるはず。上位選手による“ガチ対決”を、大いに楽しみたいと思います。
(写真:Getty Images)
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