第125回全米オープンゴルフ選手権が12日に開幕する。

　今年の舞台は過去9回の開催実績を誇るペンシルベニア州のオークモントカントリークラブ（7,372ヤード・パー70）だ。深いラフ、硬く速いグリーン、そして悪名高きバンカー。全米最難関と称されるコースが世界のトッププレーヤーに再び牙をむく。

　オークモントは1903年、ピッツバーグの鉄鋼王ヘンリー・フォウンズ氏によって、アレゲニー川沿いの農地を1年かけて造成し誕生。米国で初めて国家歴史建造物に指定されたコースで、近年では名匠ギル・ハンス氏によってバンカーの修復が施された。チャーチピューズと呼ばれる3番と4番をまたぐ巨大バンカーが選手たちを待ち受ける。

　前回オークモントで開催された2016年大会は、ダスティン・ジョンソン（米）が「276（通算4アンダー）」で優勝。これは同コースでの全米オープンにおける最少ストローク記録である。さらに忘れてはならないのが、1973年大会におけるジョニー・ミラー（米）の最終日「63」。これは現在でもオークモントの18ホール最少ストローク記録である。

　今年は日本からメジャー2勝目を目指す松山英樹をはじめ、杉浦悠太、香妻陣一朗、金谷拓実、河本力が参戦。杉浦と香妻は日本予選会を突破し、河本は日本、金谷はカナダの予選会で補欠から繰り上がっての出場となった。

　注目は世界ランキング1位のスコッティ・シェフラー（米）。直近4試合で3勝を挙げ、その中には全米プロゴルフ選手権の圧勝も含まれる。メジャー通算3勝を誇るが、全米オープンは未勝利。キャリアグランドスラムへまた一歩近づけるかに注目が集まる。

　一方、マスターズトーナメントで生涯グランドスラムを達成したローリー・マキロイ（北アイルランド）は前週大会で予選落ちと不安を残してオークモントへ。それでも全米オープンは過去6大会連続でトップ10入りを果たしており、2011年以来2度目の大会制覇に期待が高まる。

　そのほかにも、昨年王者のブライソン・デシャンボー（米）、ザンダー・シャウフェレ（米）、コリン・モリカワ（米）、ジャスティン・トーマス（米）、ルドビグ・オーバーグ（スウェーデン）、セップ・ストラカ（オーストリア）といった有力選手が顔を揃える今年の全米オープン。過酷なオークモントで歴史に名を刻むのは誰か。極限のゴルフが幕を開ける。

（写真：Getty Images）