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アゲインストの269ヤードを3Wでベタピンに!オールブラックスのレジェンドを父に持つライアン・フォックスが今季2勝目【大町昭義のPGAツアーアフタートーク】
2025年6月12日(木)午後0:55

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PGAツアーの一戦で、カナダのナショナルオープンでもある「RBCカナディアンオープン」。今年は、TPCトロント at オスプレイバレー(ノースコース)で開催されました。頂点に立ったのは、ニュージーランド出身のライアン・フォックス。サム・バーンズのとの4ホールにわたるプレーオフの末、5月の「マートルビーチクラシック」に続いて今季2勝目を飾りました。日本人選手は、久常涼選手、金谷拓実選手、大西魁斗選手が出場し、唯一予選を通過した久常選手が7アンダー47位タイでフィニッシュしました。「全米オープン」の前週に行われた同大会の模様を、ゴルフネットワークで解説を務めた大町昭義プロに振り返ってもらいました。また、「全米オープン」の展望についても語っていただきました。
カナダ全土を回るというコンセプトのもと、毎回、開催コースが変わる「RBCカナディアンオープン」。今回、38カ所目の開催地として選ばれたのは、TPCトロント at オスプレイバレー(ノースコース)だったわけですが、トーナメントコースの設定で戦略性が高く、大会自体も大いに盛り上がりました。
勝負は、72ホールで決着がつかず、ライアン・フォックスとサム・バーンズのプレーオフに突入しましたが、これも4ホール目までもつれました。優勝したのは、“飛ばし屋”フォックス。彼について少し紹介しておくと、ニュージーランド出身でお父さんはオールブラックス(ラグビーのニュージーランド代表)の名SOとしてその名を世界に轟かせたグラント・フォックス。母方のおじいさんもクリケットの名選手として活躍するなどスポーツ一家で育ち、DPワールドツアーで勝ち星を重ねてPGAツアーに乗り込んできたというプレーヤーです。
一方、バーンズは、PGAツアー5勝で、“逆転男”の異名をもつ28歳。この大会でも3日間が終わった時点で首位と4打差の16位タイでしたが、最終日に62をマーク。バックナインにいたっては5連続を含む6バーディーを奪って29を叩き出し、本戦でフォックスに追いつきました。
優勝を決定づけたのは、プレーオフ4ホール目(18番パー5)のフォックスのセカンドショット。ピンまで269ヤードで、左から少し強めの向かい風が吹く中、フォックスが3Wで放った高いフェードボールは、池から7~8ヤードという所に切られたピンのそばに着弾し、ワンピン以内に止まりました。あのショットで勝負は決まったと言っても過言ではないでしょう。そのショットを見て、私自身、取り肌が立つほどゾクっとしたものですが、視聴者の中にもそういう人が多かったのではないでしょうか。齢38歳。日頃のトレーニングなど、“強い自分”をキープすることを目的に精進しているようですが、今後の活躍も期待できそうで、今シーズン中には3勝目を手にするかもしれません。
日本人選手は、久常涼選手、金谷拓実選手、大西魁斗選手が参戦し、久常選手のみ決勝ラウンドにコマを進め、7アンダーの47位タイで大会を終えました。
その久常選手、多くの選手が深いラフに悩まされる中、正確なティーショットでフェアウェイをキープし、少し跳ね気味のポアナ芝にも何とか耐えて4日間アンダーパーで回ったというのは評価したいし、本人にとってもいい経験になったと思います。全米オープンには出場できませんが、休みの間に調整して、「トラベラーズチャンピオンシップ」にいい状態で挑んで欲しいと思います。特に「トラベラーズ」の舞台となるTPCリバーハイランズ(コネチカット州)は、ビッグスコアが出るコースで、久常選手向き。必ずや大暴れしてくれると思います。
さて、次戦は、メジャー3戦目となる全米オープン。開催は、ペンシルベニア州のオークモントCC。その難しさから、“化け物”といわれるコースで各選手がどんなゴルフを見せてくるか。優勝候補に関しては、本当は松山英樹選手といいたいところですが、本調子ではないようなので、やはりスコッティ・シェフラーということになるでしょう。シェフラーを追うのがローリー・マキロイ、ザンダー・シャウフェレ、コリン・モリカワ、ジャスティン・トーマス、ジョーダン・スピースら。それに続く選手として松山選手も挙げたいと思います。
日本人選手は、松山選手のほか、杉浦悠太選手、香妻陣一朗選手が参戦(その後、金谷拓実選手、河本力選手の参戦も決定)。杉浦選手は、今、乗りに乗っている期待の若手で、「メジャーに出場できる」ということでモチベーションも最高潮に達しているはず。期待以上の好成績を挙げてくれるかもしれません。また、香妻選手もLIVゴルフで鍛えられていることを考えると、大いに楽しみ。日本人選手全員の活躍に期待しましょう。
(写真:Getty Images)
ロングヒッター、フォックス。父親譲りの強靱な体でビッグドライブを連発
カナダ全土を回るというコンセプトのもと、毎回、開催コースが変わる「RBCカナディアンオープン」。今回、38カ所目の開催地として選ばれたのは、TPCトロント at オスプレイバレー(ノースコース)だったわけですが、トーナメントコースの設定で戦略性が高く、大会自体も大いに盛り上がりました。
勝負は、72ホールで決着がつかず、ライアン・フォックスとサム・バーンズのプレーオフに突入しましたが、これも4ホール目までもつれました。優勝したのは、“飛ばし屋”フォックス。彼について少し紹介しておくと、ニュージーランド出身でお父さんはオールブラックス(ラグビーのニュージーランド代表)の名SOとしてその名を世界に轟かせたグラント・フォックス。母方のおじいさんもクリケットの名選手として活躍するなどスポーツ一家で育ち、DPワールドツアーで勝ち星を重ねてPGAツアーに乗り込んできたというプレーヤーです。
一方、バーンズは、PGAツアー5勝で、“逆転男”の異名をもつ28歳。この大会でも3日間が終わった時点で首位と4打差の16位タイでしたが、最終日に62をマーク。バックナインにいたっては5連続を含む6バーディーを奪って29を叩き出し、本戦でフォックスに追いつきました。
優勝を決定づけたのは、プレーオフ4ホール目(18番パー5)のフォックスのセカンドショット。ピンまで269ヤードで、左から少し強めの向かい風が吹く中、フォックスが3Wで放った高いフェードボールは、池から7~8ヤードという所に切られたピンのそばに着弾し、ワンピン以内に止まりました。あのショットで勝負は決まったと言っても過言ではないでしょう。そのショットを見て、私自身、取り肌が立つほどゾクっとしたものですが、視聴者の中にもそういう人が多かったのではないでしょうか。齢38歳。日頃のトレーニングなど、“強い自分”をキープすることを目的に精進しているようですが、今後の活躍も期待できそうで、今シーズン中には3勝目を手にするかもしれません。
日本人選手は、久常涼選手、金谷拓実選手、大西魁斗選手が参戦し、久常選手のみ決勝ラウンドにコマを進め、7アンダーの47位タイで大会を終えました。
その久常選手、多くの選手が深いラフに悩まされる中、正確なティーショットでフェアウェイをキープし、少し跳ね気味のポアナ芝にも何とか耐えて4日間アンダーパーで回ったというのは評価したいし、本人にとってもいい経験になったと思います。全米オープンには出場できませんが、休みの間に調整して、「トラベラーズチャンピオンシップ」にいい状態で挑んで欲しいと思います。特に「トラベラーズ」の舞台となるTPCリバーハイランズ(コネチカット州)は、ビッグスコアが出るコースで、久常選手向き。必ずや大暴れしてくれると思います。
さて、次戦は、メジャー3戦目となる全米オープン。開催は、ペンシルベニア州のオークモントCC。その難しさから、“化け物”といわれるコースで各選手がどんなゴルフを見せてくるか。優勝候補に関しては、本当は松山英樹選手といいたいところですが、本調子ではないようなので、やはりスコッティ・シェフラーということになるでしょう。シェフラーを追うのがローリー・マキロイ、ザンダー・シャウフェレ、コリン・モリカワ、ジャスティン・トーマス、ジョーダン・スピースら。それに続く選手として松山選手も挙げたいと思います。
日本人選手は、松山選手のほか、杉浦悠太選手、香妻陣一朗選手が参戦(その後、金谷拓実選手、河本力選手の参戦も決定)。杉浦選手は、今、乗りに乗っている期待の若手で、「メジャーに出場できる」ということでモチベーションも最高潮に達しているはず。期待以上の好成績を挙げてくれるかもしれません。また、香妻選手もLIVゴルフで鍛えられていることを考えると、大いに楽しみ。日本人選手全員の活躍に期待しましょう。
(写真:Getty Images)
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6月5日(木)~6月8日(日)