今回から、“振る”をテーマにレッスンしていきたいと思います。

　振るというのは“手偏”が使われていることからも分かるように、手が主役です。ゴルファーの中には、体の動きばかりを気にしている人が多いようですが、しっかり手を振ることによってスイングも良くなってくるという話をしていきたいと思います。

　初めに、ドライバーを逆さに持って、体の正面でビュンビュン音を鳴らしながら振ってみてください。振っているうちに、上半身の動きが促され、それと同時に、腰やヒザ、足など体全体が連動して動いてくると思います。

　もしこの動きを、最初に足場をカチッと固めてやり始めると、手だけ動くという、悪い手打ちになってしまうはず。それではクラブを強く振れないし、ヘッドの軌道も安定しません。

　初めのうちはテニスのラケットを振るように、向こうから飛んできたボールを打ち返すようなイメージでクラブを振ってみてください（写真①）。目線も、ゴルフのスイングでは下にあるボールを見続けろといわれますが、クラブの動きとともに上げてしまって大丈夫です。これをやることで、本当の意味での“振る”という動きが実感できるようになってくると思います。


　また、このように片手で振っていると、クラブの揺れにこちらの方が合わせているような状態になってくるはず。体の動きがどうなっているかとか、トップの位置をどこに持っていくべきかということは考えていないと思います。

　にもかかわらず、クラブ自体は同じ軌道を行ったり来たりしていて、その動きはとても安定しています。

　このことからも分かるように、何も考えずにきちんとクラブを振っていれば、体の動きもクラブの軌道も自然と安定したものになるのです。（次号に続く）

（取材協力:埼玉県・嵐山カントリークラブ）

森山錬（もりやま・れん）
1996年まれ。小学6年生のときに全国小学生ゴルフ選手権で優勝。 フジサンケイジュニアクラシックで行われるジュニアドラコン選手権で300ヤードを記録し史上2人目の中学生チャンピオンとなる。2018年には東京都アマチュア選手権で優勝。 ANAオープン、東海クラシック、マイナビABCなどのマンデーにも出場経験あり。 2019年からレッスン活動を開始。SNSでも人気を呼んでいる。現在、Futako Golf Club代表。

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