因縁の対決がいきなり実現する。

　米国チームとインターナショナルチーム（欧州を除く）が2年に1度、名誉をかけて激突するザ・プレジデンツカップは、現地時間17日に豪州のロイヤル・メルボルンGCで開幕。初日のフォーサム（1つのボールを2人が交互に打つ）で、タイガー・ウッズ（米）＆スティーブ・ストリッカー（米）組が、アダム・スコット（豪）＆崔京周（韓）組と激突することがわかった。

　スコットのキャディは、ベテランのスティーブ・ウィリアムス氏（ニュージーランド）。タイガーのメジャー14勝のうち13勝でバッグを担いだ元相棒だ。タイガーがスキャンダルと故障で戦線離脱した間も復帰を待っていたのにも関わらず、この夏に関係解消を宣告されてしまいスコットと新しいコンビを組んだ。だが、その後もタイガーに関する様々なコメントを求められるままに口にしており、遺恨が囁かれていたのだ。ウィリアムス氏が謝罪する形で矛先を納めたものの、親友同士でもあった2人の関係が元に戻るはずもない。それが、名誉をかけた戦いの場で激突する。もちろんウィリアムス氏がプレーするわけではないが、その動きの一つ一つから目が離せない。

　米国チームのフレッド・カプルス（米）、インターナショナルチームのグレッグ・ノーマン（豪）の両主将を始め、両チームのメンバーみんなが、この組み合わせの行方を前向きに注目している。タイガー＆ストリッカー組は、2年前の前回大会で4戦全勝を誇っており、一方のスコット＆崔組は2007年大会で1戦1敗と、実績では圧倒的な違いがある。先週の豪州ツアー、オーストラリアン・オープンで単独3位と、スランプから立ち直りつつあるタイガーのプレーぶりと併せて、1打1打を見守りたいところだ。

　日本からただひとり参戦する石川遼も重要なポジションでプレーする。インターナショナルチームで、実績も経験も最も豊富なアーニー・エルス（南ア）からご指名を受けてコンビを結成。大会の幕開けとなる最初のマッチでブッバ・ワトソン（米）、ウェブ・シンプソン（米）の今季元気いっぱいの2人と対決するのだ。

　ワトソン＆シンプソン組の2人はいずれも大会初出場だが、勢いでは他を圧倒している。エルスと石川もコンビを組んだことはないが、いずれも大会の経験はあり、これをアドバンテージにしたいところだ。

　最初のマッチで勝利を収めればチームに勢いがつく。それだけに責任は大きいが、石川ならやれるに違いない。

　大会は4日間で行われ、初日がフォーサム6マッチ、2日目がフォーボール6マッチ、3日目がフォーサム5マッチとフォーボール5マッチ。最終日にシングルス12マッチが行われる。それぞれ勝利を収めれば1点、引き分けなら0.5点ずつを獲得し、合計ポイントの多いチームが優勝となる。