ディフェンディング・チャンピオンのアンソニー・キム（米）がコースレコードを叩き出し、タイガー・ウッズ（米）がピタリとその背後につけた。

　タイガーがホストを務める米男子ツアーのAT＆TナショナルはワシントンDCにほど近い、メリーランド州ベセスダ、コングレッショナルCCを舞台に現地時間2日、華やかにその幕を開けた。昨年はひざの故障で欠場を余儀なくされ、これが2年ぶりの今大会出場となるタイガーは第1ラウンド、出だしの1番、2番で連続バーディと好調な滑り出し。フェアウェイを外したのがわずか2ホール、グリーンを外したのが3ホールと、安定したショットにパットが噛み合い、7バーディ、1ボギーの6アンダー64をマークし、2位タイと絶好のポジションを確保した。

「雨で地面が柔らかいからピンをデッドに攻めるアグレッシブなプレーが出来た。パー5でしっかりバーディが獲れたのが良かった」と冷静に初日のプレーを振り返ったタイガー。大会ホストという立場上、試合前は数々の行事に忙殺され、肝心のゴルフがどうなるか心配されたが、さすがは百戦錬磨だけあり、本番にきっちり調子を合わせてきた。

　だがそんなタイガー以上のプレーを披露したのが連覇を狙うキム。昨季ブレイクしながら今季はベスト10にまだ1度しか入っておらず、不本意な成績が続いていた。だが「このコースに立つといいイメージがわく」と言う通り、8バーディ、ノーボギーの猛攻でコースレコードの『62』をマーク。タイガーら後続に2打差をつけトップに立つと「パットがようやく入ってくれた」とホッとした表情。ここのところスイングの悩みを抱え、現地に入ってからもチェックに余念がなかったが「ショットも良くなっている。これで（スイングの）すべてが改善されたとは思わないが、コツコツと努力して残っている2つのメジャーに照準を合わせたい」と、ポスト・タイガーの旗手は高い目標を口にした。

　その他、タイガーと同じ2位タイにブライス・モルダー（米）とD.A.ポインツ（米）が並び、5アンダー65、単独5位にベテランのスティーブ・エルキントン（豪）がつけている。全米オープンチャンピオンのルーカス・グローバー（米）は1アンダー69で、今田竜二らとともに20位タイからのスタート。今田は前半3つのボギーを叩いてつまずいたが、終盤の14番から3連続バーディを奪って盛り返し、まずまずの位置を確保している。