アンソニー・キム（米）が連覇で自信を取り戻そうと燃えている。

　タイガー・ウッズ（米）がホストを務める米男子ツアーのAT＆Tナショナル（現地時間2日開幕、メリーランド州ベセスダ、コングレッショナルCC）で、ディフェンディング・チャンピオンのキム。だが、今大会を含めて2勝を挙げて躍進した昨季とは対照的に、今季は一向に成績がふるわず、フラストレーションのたまる日々が続いていた。

　欧州ツアーに参戦した影響もあるが、米ツアー13試合に出場しながら、トップ10入りが開幕戦メルセデス-ベンツ選手権の2位タイしかないという不本意な成績。予選落ちは3試合ありどんどん自信も失い、明るい表情を見せることも少なくなった。しかし、全米オープン16位タイの後、前週のトラベラーズ選手権で11位タイ。この結果で気持ちが前向きになり、連覇のかかる今大会に気分良く臨める。

　武器となるのは、ツアー第3位（1ホール平均1.719）を誇るパッティングだ。全米オープンの舞台になる名門コングレッショナルCCは安定したショットも必要だが、絶妙なパットも不可欠。それだけにキムが特長を生かすことができれば、復調のカギを握る連覇達成の可能性もある。

　一方、タイガーも気合十分。連覇に挑んだ全米オープンで6位タイに終わった悔しさが残る内に、ホストとして大会を迎える多忙ぶり。昨季大会は全米オープンの死闘で左ヒザを負傷し、トーナメント会場に行くことすらできなかった。ホストなのに自宅でテレビ観戦するしかなかったとあって、今年は存在感を示したい。

　コングレッショナルCCは2011年の全米オープン会場に決まっている。今年の大会の後でそのための改造を始めるため、2年間この舞台を離れる。タイガーの予選ラウンドの組み合わせは、全米オープン王者のルーカス・グローバー（米）ら。自分がホストの大会で勝つというメジャー同様、難しいこの課題を乗り越えて、2週間後の全英オープンに突入したいところだ。

　尚、日本勢は今田竜二が出場。ツアー2勝目を狙い、アグレッシブなゴルフを貫きたい。