上田桃子が米女子ツアー挑戦の原動力となった大会で連覇を目指す。

　日米両女子ツアー共催のミズノクラシックは7日、近鉄賢島CC（三重）で開幕。米ツアーから上田、宮里藍を含めた43人、日本ツアーから35人が参戦する。ディフェンディング・チャンピオンとして臨む上田は大会前、7番ティーに作られた昨季大会の勝利を引き寄せたアルバトロス記念碑を見て大会への思いを新たにした。

　上田にとって今大会は特別な意味を持っている。初出場した06年は、第2ラウンドにコースレコード『64』を叩き出して単独首位。カリー・ウェブ（豪）と一緒に最終日最終組でプレーしたが9位タイに終わり、米ツアーのすごさを肌で感じた。

　この時の経験を糧に翌07年はワールドカップに出場した。ボロ負けして帰ってきたが、開幕直後の米ツアーに参戦し、パッティングの大切さを痛感。徹底的に磨いて最高のシーズンを送った。その集大成が07年の今大会だ。賞金女王争いに疲れ果てた体で乗り込み、首位タイで最終日へ。485ヤードの7番パー5で第2打をグリーン手前にキャリーさせると、鮮やかにラインに乗ってそのままカップイン。勝負どころでのアルバトロスが効いて米ツアー初優勝を果たした。米ツアーのルーキーとして参戦する今年、上田はさらに一回り大きくなっており、そのプレーから目が離せない。

　その一方で、リーマンショック以降の世界的経済危機が日本ツアーの賞金女王争いに微妙に影響を与えそうだ。米女子ツアーとの共催競技である今大会は、賞金がドル建てになっている。優勝者が手にするのは07年と同じ21万ドル（約2,060万円）。円換算したものが日本ツアーの獲得賞金に加算されるため、円高の現在は昨年に比べると300万円程度目減りすることになる。賞金ランク首位を突っ走る李知姫（韓）には有利に、逆に追いかける福嶋晃子、横峯さくら、古閑美保らにとっては不利な展開だが、それでも目の前の戦いに挑むしかない。