激闘のツケは大きかった。ヒザの手術からの復帰戦、全米オープンで91ホールの死闘の末、14個目のメジャータイトルを勝ち取ったタイガー・ウッズ（米）が、さらに手術を受けるために今季の残り試合を欠場することを明らかにした。

　現地時間19日開幕の米ツアー、トラベラーズ選手権（コネチカット州クロムウェル、TPCリバー・ハイランズ）は、メジャーの狭間に行われる大会とあって、出場を回避しているトッププレーヤーが多い。だがそんな中で、選手や関係者、ファンの話題をさらったのは、今大会に出場しないタイガーだった。

　全米オープン2日後になって、タイガーは自らのウェブサイトで「正しいのは医者の言うことを聞き、この手術とリハビリに専念することだ」と語っている。手術の日程については明かしていないが、周囲の話ではリハビリに6か月から8か月かかるということで、今季の復帰は絶望的だ。全英オープン、全米プロゴルフ選手権の残りのメジャーはもちろんのこと、9月の欧米決戦、ライダーカップも難しいとあって、ライバルやチームメイト候補は騒然となっている。

　このように、試合以外の話題に占領されている同大会だが、人一倍自分のプレーに集中しようしているのが、かつての世界ランクNo.1であるビジェイ・シン（フィジー）だ。練習の虫と呼ばれ、ツアー通算31勝を挙げたほどの強さを誇った男が、45歳になったことで限界を噂されている。だが、シン本人はそれを真っ向から否定。体力的にも、以前ほど練習できなくなったのは事実だが、それでもまだまだ勝つ気満々。先週の全米オープンで劇的な優勝を果たしたライバルの姿に刺激され、32勝目を目指す。

　一方、その全米オープンを欠場したことで批判を浴びたケニー・ペリー（米）も元気に参戦する。メモリアル・トーナメントでの優勝で、ライダーカップメンバー入りの可能性が出ており、これを確実にするために苦手コースで行われたメジャーを回避。このことが論争の的にされているが、本人は「最大の目的はライダーカップ」と悪びれるところもないだけに、正確なショットで勝ち星を重ねる心積もりだ。そこへ飛び込んできたエース欠場のニュースに、複雑な表情を見せつつも自分の仕事をこなす。

　また、一時帰国し国内ツアーの三菱ダイヤモンドカップゴルフに参戦したが、予選落ちした丸山茂樹も米ツアーに復帰。何とか復調の手がかりを探る。