ジャスティン・ローズ（英）が首位の座を守り、優勝＆賞金王のダブルタイトルに王手をかけた。

　現地時間3日、スペインのコスタ・デル・ソル、クラブ・デ・ゴルフ・バルデラマを舞台に第3ラウンドが行われた欧州ツアー今季最終戦のボルボ・マスターズ。前日後続に4ストロークの差をつけて単独トップに立ったローズが、この日もイーブンパー71にスコアをまとめ、通算4アンダーでトーナメントをリードした。

　4打差の2位タイに2年連続賞金王の座を目指すパドレイ・ハリントン（アイルランド）とサイモン・ダイソン（英）が続き、通算3オーバー4位タイにコリン・モンゴメリー（スコットランド）、イアン・ポルター（英）他がつけている。

　この大会がなぜこれほどまでに注目を集めるかといえば、最終戦までもつれ込んだ賞金王の行方。現在賞金ランク1位のアーニー・エルス（南ア）が欠場したため、同2位のハリントン、同3位のローズ、同4位のヘンリック・ステンソン（スウェーデン）、同5位のニコラス・ファース（スウェーデン）まで逆転マネーキングのチャンスが生まれたのだ。

　現時点で19位タイのファースと33位タイのステンソンは論外だが、ローズとハリントンにとって逆転は大いに可能。単独3位以内に入れば現在あるエルスとの約22万ポンド（約3,700万円）の差を埋めることができる。だがローズにしてもハリントンにしても狙うは優勝の二文字だけだ。

　その緊張感からかローズはこの日1番でいきなりボギー、2番でダブルボギーを叩いて、1番をバーディとしたハリントンと通算1アンダーで並ぶことに。「2番が終わったときにはかなり動揺していた。2年前のボクだったら、ズルズルと後退していたはず」とローズ。しかし3番のティーグラウンドで「まだリードされたわけじゃない」と自らに言い聞かせ、中盤に3バーディを奪ってスコアを振り出しの通算4アンダーに戻した。

　これにはハリントンにも「出だしの2ホールを考えると、よく挽回したと思う。明日はローズ次第だけれど、まだ諦めたわけじゃない」と称賛された。「タイトルはすごく欲しい。そのために自分が何をすべきかわかっている。勝てばすべてが解決する」と言うローズにとって、最終日は生涯もっとも長い1日になりそうだ。