海外男子

プレーオフ8ホール目で全米行き最後の切符を手にした宮里「ずっとスライスラインにつけたかった」

2017年5月23日（火）午前3:08

海外メジャー「全米オープンゴルフ選手権」の出場権をかけて、5月22日（月）に兵庫県の小野ゴルフ倶楽部で「全米オープンゴルフ選手権セクショナルクオリファイング（最終予選）」が開催された。

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今年は36名の選手が出場。上位4人までに与えれる全米オープン行きの切符をかけて1日36ホール・ストロークプレーで戦った。

見事トップ通過を果たしたのは「今年は全米オープン出場に照準を合わせてやってきた」と並々ならぬ決意で予選会へ挑んだ小平智。第1ラウンドを8アンダーでトップに立つと、第2ラウンドも隙のないプレーで通算11アンダー。2位に4打差をつけて、予選会1位で全米行きを決めた。

36ホールを終えて小平に続く2位タイには通算7アンダーで、なんと6人が並ぶ結果に。残り3つの出場権をかけて、宮里優作、今平周吾、小林伸太郎、C・キム、任成宰、A・ブランドの6人によるプレーオフが行われた。岩田寛、藤田寛之、薗田峻輔、松村道央らは1打及ばず会場を後にした。

バーディを獲るのが難しい18番パー4で行われたプレーオフ。

3人づつに分かれて行われたプレーオフ1ホール目は宮里優作がティーショットを池に入れる波乱の幕開けに。このホールをボギーとした宮里は万事休すかと思いきや、6人の中でパーセーブしたのは今平周吾、C・キムの2人のみ。この時点で今平とキムの予選通過が決まり、残り1枠に。

2ホール目以降はパーで切り抜ける我慢比べの展開に。3ホール目でA・ブランドがボギーで脱落すると、続く4ホール目では小林が2打目をグリーン奥の木の根元に打ち込み、左打ちで脱出を試みるも池に入れて脱落。残り1枠をかけた戦いは宮里と任成宰のマッチプレーの様相に。

互いに5ホール目でバーディを奪い、6ホール目をパーとした後、USGAよりプレー継続の確認が入るが、2人は「やります！」と7ホール目に。7ホール目でも決着がつかず、再度競技委員より「あと1ホールいくか、それとも明日の朝にするか」と聞かれるが「もう1ホール行きます」と宣言。固唾を飲んで見守るギャラリーからは宮里と任成宰に拍手が送られた。

「これが最後！」という雰囲気が18番ホールを取り囲む中、迎えた8ホール目。宮里と任成宰は共にバーディチャンスにつける。先に打った任成宰のバーディパットは惜しくもカップ手前で止まる。静寂に包まれた宮里のバーディパットは見事にカップイン。早朝6時30分にティーオフしてから12時間以上、44ホールに及ぶ激闘に終止符が打たれた。

決着の瞬間、万感の思いで目を閉じて喜びをかみしめた宮里。

ゴルフネットワークで6月3日（土）に放送する「全米オープン日本予選会」でナビゲーターを務めるプロキャディの杉澤伸章からプレー後のインタビューで、「誰よりもゴルフ場に長くいた人ですね」と言葉をかけられると、「18番は10回もプレーしました、もう覚えましたよ。なんでも聞いて下さい（笑）」と戦いを終え安堵の表情を浮かべた。

バーディを獲るというよりパーセーブを狙ったマネジメントに徹していたと解説する杉澤。

プレーオフでの戦いについて宮里は「ティーショットもセカンドもフェードで、同じショットの繰り返しだったからパッティングもスライスラインを打ちたかったのにずっとフックラインで・・・。ようやくピンの手前についたっていう時にバーディを獲ることができた」と振り返った。

2年連続で予選会を通過して全米オープンに出場する宮里。昨年は初出場ながらも日本人最高の23位に入ったが、「もう少し頑張れば15位以内に入って、翌年の出場権を獲得できたのに悔しい思いをした。今年は昨年以上の成績を残したい」と意気込みを語る。

18番グリーンでは全米行き最後の切符を手にした宮里を、小平、今平、C・キムらが出迎えると、「みんな待たせてごめんな！」と声をかけ、全米オープン出場の喜びを分かち合った。

【最終結果】
1位　小平智（-11）
2位　今平周吾（-7）
2位　C・キム（-7）
2位　宮里優作（-7）
==以上、予選通過者==
2位　任成宰（-7）
2位　小林伸太郎（-7）
2位　A・ブランド（-7）
8位　岩田寛（-6）
8位　藤田寛之（-6）
8位　薗田峻輔（-6）
8位　松村道央（-6）

6月15日に開幕する「全米オープンゴルフ選手権」には日本予選会で出場権を獲得した小平、今平、C・キム、宮里の4選手に加え、すでに出場権をもつ松山英樹、5月22日付の世界ランキング60位以内の資格で池田勇太、谷原秀人らが出場予定。

12時間以上44ホールに及ぶ激闘「全米オープン日本予選会」