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海外男子

デンマークの圧巻、上位の圧巻、日本の圧巻。(舩越園子の2016ゴルフワールドカップ)

2016年12月6日(火)午後4:07

ワールドカップ初優勝を飾ったデンマークのソーレン・ケルドセンとトービョーン・オルセンの笑顔が表彰式で輝いていた。

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前日、2位に4打差で最終日を迎えることになったデンマークの2人は「4打差は、あってないようなもの。明日は決して楽な戦いにはならないと思う」と気を引き締めていたが、その言葉通り、最終日の前半は彼らにとって苦しい展開になった。

なかなかスコアが伸ばせず、6番でようやくバーディーを奪ったものの、8番ではついに2人ともティショットを左右に曲げて、ボギー。序盤からピッチを上げていた米国や日本に追い付かれそうなムードが漂い、終始笑顔だった彼らの表情はさすがに険しくなった。

そう、間違いなくデンマークは前半は窮地に陥っていた。しかし、6つのバーディーを奪って勝利を掴んだ後半の巻き返しぶりは、文句なしの圧巻だった。

ベテランのケルドセンががっちり土台を固め、ムードメイカーにもなっていたからこそ、前半からショットが大きく乱れていたオルセンは後半に自分のゴルフを立て直すことができたのだろう。ケルドセンが固める土台の上で若いオルセンを走らせるデンマークの作戦は、最も肝心な最終日の後半に最高の形で実を結び、それが通算20アンダーという圧倒的な優勝スコアにつながったのだと思う。

崩れかけて、立て直す。落ちかけて、浮上する。デンマークはそうやって勝利を掴んだ。そして、中国は優勝には手が届かなかったものの、前日はダブルボギー、ボギーと大きく躓きながらも踏みとどまり、最終日は7つ伸ばして2位になった。9つ伸ばして中国とともに2位に並んだフランス、10打伸ばして単独5位に浮上したスウエーデン、8つ伸ばして6位になったイタリア。サバイバルとネバーギブアップの精神で驚異的な猛追を披露した彼らの戦いぶりは、どれも圧巻だった。

松山英樹と石川遼の日本チームが前半で見せた猛チャージは日本のゴルフファンを興奮させたに違いない。最終日に追いかける立場は、スコアを伸ばす以外に勝利への道はない。そして最終日はスコアが伸ばしやすいフォーボール形式だ。攻めるしかない。伸ばすしかない。3番、4番、5番、7番でバーディーを奪った前半の日本チームは、その心意気を他のどのチームより見事にスコアに結びつけていたと言っていい。

だが、スコアを伸ばせなかった8番から12番の5ホールで、その心意気が停滞し、空回りし始めたのだと思う。2人の表情は徐々に固くなり、微妙な焦りや心の揺れは徐々にショットやパット、ゲームの流れをよどませていった。

それでも後半は3つのバーディーを奪った。だが、フォーボール戦の終盤に3バーディーでは激しいバーディー合戦を勝ち抜くには不足だった。「7アンダーは、もっと伸ばせたなという感じ」とは、石川の敗戦の弁。

そして松山の「気持ちばっかり行き過ぎた面があった。もっと冷静にできたのかな。もっと引っ張っていけたのかな」という感想は、ケルドセンが土台を固め、オルセンがその上を快走したデンマークのような連携プレーが、自分の気持ちの先走りのせいで、いまひとつうまくできなかったことを悔しがっているように受け取れた。

圧巻だったのは、ホールアウト後の松山の自己分析と今後の課題の見据え方だ。「自分の状態が落ちたとき、それをすぐに上げられる練習方法なりを探さないといけない」崩れかけて、立て直す。落ちかけて、浮上する。それはまさに、この日のデンマークがやってのけたこと。そして、日本より上位でフィニッシュした中国やフランス、米国、スウエーデンがこの4日間で見せた執拗な粘り方でもあった。

そんなサバイバルとネバーギブアップを松山は課題に掲げ、「次回も出られるチャンスがあれば、また(石川と)一緒に組みたい」と次回ワールドカップへの意欲を見せた。

だが、「状態が落ちたとき、すぐ上げる」という課題は、ワールドカップやチーム戦に限ったことではない。常日頃、松山が戦う米ツアーにおいても、いや、どんなときにも、どんな場所でも肝要なことだ。

ショットもパットも振るわず、苦悩していた米ツアーの昨季終盤、松山が手探りで求めていたものは「落ちかけている状態をどうやって上げるか」だったのだろう。それがうまく「上がった」からこそ、その後の日本とアジアにおける4戦3勝があったのだ。残る課題は、いかにシステマティックに「上げる」ことができるかであろう。

「悔しいですね」

日本は勝利には届かなかった。だが、石川と松山が得たものは多大だったはず。日本のファンが見た彼ら2人の心意気、そして世界の力は圧巻だったはず。第58回ワールドカップは、そんな素晴らしい大会だった。

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