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マスターズのジンクス、ウィレットとスピースの勝負の明暗は試合前から決まっていた！？

2016年3月10日（木）午後3:55

　毎年、数々のドラマを生むマスターズ。今年も歴史に残るプレーを選手たちが披露してくれた。日本人初のメジャー制覇に期待がかかった松山英樹のプレーや、16番のパー3で1日で3人がホールインワンを達成する場面。そして多くの人々の印象に残ったであろう、一時はジョーダン・スピースが5打もリードしていたにも関らず、アーメン・コーナーと呼ばれる12番ホール（パー3）でまさかの7を叩き、ダニー・ウィレットが逆転勝利。誰もがスピースの2連覇達成を信じて疑わなかったはずだ。

　日本でダニー・ウィレットはあまり馴染みない名前だが、欧州ツアーを主戦場としおり、2015年に大ブレイクした選手だ。ネッドバンクゴルフチャレンジで3年ぶりの優勝を飾ると、オメガ・ヨーロピアン・マスターズで2勝目を挙げ、全英オープンでは6位に入った。2014年まで圏外だった世界ランクが一気にTOP30位以内に食い込み、実績を積み重ねた。自身も「優勝が信じられない」と驚いているが、ウィレットの優勝は誰も予想していなかったはずだ。

　しかし、ツキや運は試合前からウィレットに傾いていたのかもしれない。実は、今大会が開催する前週3月30日に夫人が第一子を出産。出産予定日はマスターズ最終日だったというが、12日早まって出産したのだ。息子の誕生を見守るためにマスターズを欠場をするか最後まで迷っていたという。

　面白いことに、マスターズでキャディが着るポンチョの左胸に記されている番号は、エントリーした順番に割り振られるのだが、夫人の出産が決まるまで登録していなかったウィレットは選手のなかで一番最後の「89番目」に申し込んだ。奇遇なのか運命なのか、前年優勝者は必然的に「1番目」に割り振られ、1番のスピースと89番のウィレットが勝負の明暗を分けた。

　この日「67」をマークしたウィレットが前年優勝者のスピースからグリーンジャケットを譲り受ける結果となったが、まるでマンガのような話。魔物が住んでいると言われているマスターズ、来年はどのようなドラマが待ち受けているのだろうか。

マスターズ速報！ＬＩＶＥＦＲＯＭオーガスタ 4月11日号より

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