全ての伝説はこの1試合から始まった。

タイガー・ウッズは1991年から93年にかけて、全米ジュニア・アマチュア選手権を3連覇。さらに1992年には、初となるPGAツアー参戦を果たすと、1994年からは史上初となる全米アマチュア3連覇を達成。後に“タイガーズトリプル"と呼ばれる快挙を成し遂げると、同年の8月には大学を2年で中退してプロ転向を果たした。

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PGAツアーでのプロ転向初戦は60位タイに終わったものの、続く2戦目を11位タイ、3戦目で5位タイ、4戦目では3位タイと着実に順位を上げていくと、迎えた5戦目のラスベガス・インビデーショナルでタイガーは再び快挙を達成する。

5ラウンド90ホールで行われたトーナメントで、初日こそ「70」に終わったものの、第2ラウンドで「63」をマーク。第3ラウンド、第4ラウンドを68-67で回ると、最終ラウンドでは「64」を叩きだし、当時32歳のデービス・ラブIIIと並んでプレーオフに突入した。

プレーオフでは、ドライビングディスタンスで4位につけていたラブIIIが放ったドライバーショットの飛距離に、タイガーは3番ウッドで並んで見せギャラリーを驚かせる。さらに9番アイアンで放った2打目はピンの右をしっかりと捉え、バーディチャンスに。一方、ラブIIIは20歳の青年にプレッシャーを感じたのか、セカンドショットを左奥のバンカーへ。タイガーはバーディパットこそ決めきれなかったものの、しっかりとパーセーブに成功すると、ラブIIIは距離の残ったパーパットを左に外し、タイガーの初優勝が決まった。

スタッツ上でもタイガーの強さは際立っており、29ラウンドをプレーした時点での平均スコアは69.32、最終ラウンドに限れば68.33と、いずれも規定ラウンドの48ラウンドをプレーしていればツアー1位の数字だった。この他にも、イーグル率で56.1ホールを記録するなど、計6つの部門でツアートップの成績となっていた。

さらに同年もう1勝を挙げたタイガーは、1997年には史上最年少でマスターズ制覇、世界ランキングNo.1、シーズン5勝でのPGAツアー賞金王獲得など、ここから長きに渡って続いていく「タイガー時代」の序章を綴っていくが、まさにラスベガスでの戦いはその到来を知らせる“1勝"となった。

1996年 ラスベガス・インビデーショナル 最終日

【放送日時】2月1日（月） 午後5：00?7：00

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写真提供:Getty Images