海外男子

嵐の前の静けさ　特別な場所に挑むフィル・ミケルソン

2015年7月19日（日）午前11:06

まさに嵐の前の静けさ。木曜日にはTPCスコッツデールの16番ホールは世界一にぎやかなギャラリーで埋め尽くされることだろう。そんなウェイストマネジメントフェニックスオープンの雰囲気を誰よりも愛するのが、大会3勝を誇るフィル・ミケルソンだ。

ミケルソンは、先々週のキャリアビルダー・チャレンジで3位タイに入ったものの、ファーマーズ・インシュランス・オープンでは予選落ち。しかし、本人は前向きな気持ちで特別な大会に挑む。

フィル・ミケルソン
「ファーマーズ・インシュランス・オープンでは、サウス・コースで良いプレーができたのに、ノース・コースでは、集中力を失ったせいでラウンドを台無しにしてしまった。でも、予選落ちのあと、練習を積んで、ゴルフに磨きをかけることができたという手応えがある。何かを大きく変える必要はなく、細かい部分を調整するだけと思っている。今週、どんな結果を出せるかわからないが、今の調子に満足だし、ゴルフは良くなる一方なので自信はあるよ」

「TPCスコッツデールは、大学時代を過ごした特別な場所だ。あれから長い年月が経ったとはいえ、思い出の場所で開催される大会で3回も優勝できたことを誇りに思う。優勝争いに絡んだまま上がりの4、5ホール、特に16番ホールを迎える気分に勝るものはない。メジャーを除き、最も大事なトーナメントと言えるだろう」

一方、ブラント・スネデカーは今年、PGAツアーで3位タイと2位を記録したあと悪天候の影響を受けたファーマーズ・インシュランス・オープンで優勝し、現在、PGAツアーで最も好調な選手だ。

ブラント・スネデカー
「去年、オーストラリアで84を叩いたあと、シーズンオフは、ブッチ・ハーモンに見てもらいなが、じっくり練習した。今年、初戦の舞台、マウイ島のカパルアはワイド・オープンなコースなので、新しいドライバーとボールに慣れるのにうってつけだった。自分が変えたことに自信が持て、ショットが乱れることもなかったので弾みがついた。ソニー・オープン・イン・ハワイでは、絶好調とはいえツメが甘く優勝を逃したが、ファーマーズ・インシュランス・オープンでは、決勝ラウンドで信じられないほど良いプレーができて優勝。オーストラリアで散々だった頃は想像もつかなかったほど勢いがあった。努力が実り、幸運に恵まれたからだ」

「TPCスコッツデールは戦略度の高い、素晴らしいコース。グリーンは完璧な状態に仕上がっているから、パッティングが好調なら、どこから打っても決めることができる。それと、毎年、このコースではティーショットがうまく打てる。ティーショットが正確だと、2打目に感じるプレッシャーが減るので助かる。パッティングは好調なので、日曜日のようにティーショットが良ければ、多くのバーディを奪える自信があるよ」

やはり、TPCスコッツデールと相性のいいババ・ワトソンは、過去2年続けて2位を記録し、3度目の正直で大会初優勝を狙う。ワトソンは、コースが改修されたことについて、率直な意見を述べた。

ババ・ワトソン
「あくまでも個人的な意見だが、改修すべきだった理由がわからない。打ち上げの14番パー4は490ヤード、ロングヒッターにとっての落としどころが狭くなった。8番パー4は280ヤードから320ヤード地点まで、左サイドのバンカーに向けてボールが転がるようにフェアウェイが傾斜しているから、フェアウェイを狭くする必要などない。優勝スコアが低くなる一方ではないのにコースを難しくしたら、攻める醍醐味やロースコアをマークする楽しさを味わえなくなってしまう。延べ50万人ものギャラリーが集まる大会で、変える必要がないものは変えなくていいと思う。過去数年のチャンピオンを見れば、このコースでロングヒッターが有利なのは明らかだ。私が優勝できなかったのは、チャンピオンよりもパット数が多かったから。勝てる自信はあるし、ショットはいいので、この大会2勝のJ.B.ホームズと優勝争いがしたいね」

ワトソンは初日、ジャスティン・トーマスと、ディフェンディング・チャンピオンのブルックス・ケプカと同じ組でプレー。豪快な飛ばし屋トリオが16番ホールに姿を見せれば、まさに大騒ぎという雰囲気になるのは間違いないだろう。

【動画】ゴルフセントラル2月4日号

ゴルフセントラル 2月4日号より