海外男子

B.ワトソン好調の秘訣は苦手だったパターを克服！？

2016年4月6日（水）午前11:18

先週、バハマで行われたヒーローワールドチャレンジで通算9勝目をあげたバッバ・ワトソン。ここ1ヶ月でアメリカ、中国、日本、バハマ、タイと世界中を飛び回り、過密なスケジュールの中、疲労をものともせず、結果をしっかり残しているあたりはさすがといえるだろう。今週行われているアジアンツアー、タイランドゴルフ選手権では節目となるプロ10勝目を目指す。

バッバといえば、言わずとしれた米ツアー屈指の飛ばし屋で、12年にマスターズを制し、一躍注目の的となった。現在は世界ランク4位で毎週優勝争いに加わるスター選手の一員だ。

（写真提供:Getty Images）

世界ランクトップ10に入っている選手はパーオン率や平均パット数、平均ストロークなどのスタッツが平均的に上位に入っている傾向がある。しかし、バッバのスタッツの数値を見ると平均パット数が群を抜いて低い。過去10年をみてもパッティングのスタッツでトップ100に入ったのは2回のみ。いかにショットでカバーしているかかが伺える。だが、今年のバッバは違う。パッティングスタイルを変えて、成績に変化がでてきたのだ。

アーロンオーバーホルザー
「バッバはこれまでパターの後ろの部分に線の入ったものを使っていました。パターに線の入ったものを使っている選手は構えた時に、その線が完璧に狙っている方向を向いているか神経質になりすぎてしまいがち。しかしこの線は、方向を合わせるためではなくパターの芯にボールを合わせるためのもの。また、線があるとその線に沿って真っ直ぐ引こうとしてしまいますが、実際は開いて閉じる動きが正解です。そこでワトソンは線を消して点に変えました。線が入っていないと、真っ直ぐパターを引かなければいけないと言う気持ちにはなりません。また、パターの点はヘッドの真ん中にあり、ここにボールを合わせることでいつもパターの芯でボールを打つことができるんです。目でラインを辿って自分のイメージを作ることができるため、集中力が増します。このパターを使えば、ワトソンはさらに感覚重視のパッティングができるでしょう」

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……見た目が大きな違いを生むと言うことですが、ストロークの面ではどうでしょう？

ブランデル・シャンブリー
「ワトソンの場合、いつも両手が調和されておらず逆に対立した形でした。親指と人差し指でできるVの字が右手は右、左手は左の肩を指していたのです。ブラッド・ファクソンやジミー・ウォーカーのようなパットの名手を見ると両手のVの字が同じ場所を指しています。ブラッドやジミーは右手のVが右肩、左手のVも右肩を刺していますが、ワトソンは左手のVの字が左肩を刺しており、これだとフェースを返しずらいのでプッシュする事が多くなります。離れた両手の親指をもう少し寄せれば両手が対立することなく調和すると思います」

マスターズで初優勝した2012年の平均パット数156位から昨シーズンは54位、今年はトップ50以内に入っている。この変化は確実に効果を出しているといえるだろう。

ゴルフセントラル 12月11日号より