R.マキロイの“失われた1年” J.スピースはトラの尾を踏んだ?
2015年12月30日(水)午後3:35
前週の「DPワールドツアーチャンピオンシップドバイ」を含めた欧州ツアー12試合で3勝を挙げ、トップ5入りは5回を数えたローリー・マキロイ。最終戦を勝利で締めくくって年間王者に輝いた26歳の今季は、他の選手から見れば素晴らしいシーズンだったことは間違いない。しかし、若くしてメジャー4勝を数えるマキロイにとっては、メジャーで勝てなかった時点で今年は不発の1年だった、というのが本音なのではないだろうか。
現に今年9月、マキロイはPGAツアーのプレーオフシリーズ開催中に同様の発言をしており、それまでのシーズンへの悔しさを滲ませていた。4月のマスターズではグランドスラムを逃し、夏は夏で足首を痛めて全英オープンに出場出来ず。結局、2015年はマスターズ、全米オープンを制したジョーダン・スピースが大活躍。全英オープンはザック・ジョンソン、全米プロはジェイソン・デイがトロフィを掲げた。
「マキロイがいつか殿堂入りしたとしても、2015年が良い年だったとは思わないでしょう」とは米国Golf Channel解説のジョン・フェインスタイン。彼曰く、マキロイほどの選手であれば、心の底で大きな怒りを覚えているはずだという。
ジョン・フェインスタイン
「表向きには、若い世代同士のライバル関係を楽しみ、27歳のリッキーファウラーなどを含め同世代の活躍を喜び、素晴らしいプレーには笑顔も見せています。ですが心の奥底では、この上ない怒りを感じているでしょう。26歳でメジャー4勝をあげるほどの選手は生まれつきの負けず嫌いのはずですからね。タイガーのように顔には出ませんが、心の中ではタイガーの全盛期と同じように憤慨しているでしょう」
(写真提供:Getty Images)
「しかしマキロイのこの1年は他の選手にとっては素晴らしい1年です。優勝が4回、最終戦では最終日「66」で優勝し、レース・トゥ・ドバイでもここ4年で3度目の優勝を達成。普通なら最高の1年ですがメジャーV無しの4勝は、マキロイにとって失われた1年です」
「しかし、この優勝で来年の期待は膨らみます。怪我は完治しパットも好調、そして内に秘めた怒り、普段は穏やかなマキロイですが、どことなく全盛期のタイガーやマイケル・ジョーダンを感じさせます。22年前、ワシントン・ブレッツのルーキーだったラブラッドフォード・スミスはジョーダン相手に37ポイントの大活躍を見せましたが、1週後再び対戦したジョーダンはハーフタイムまでに36ポイントを挙げ「前回の借りを返しただけ」と話しました。スピース、デイ、ファウラーはバスケットボールのスミスよりはるかに選手として実績がありますが明らかにトラの尾を踏んだと言えるでしょう」
2013年にプロ生活最悪の1年を送ったマキロイは、その恨みを晴らすかの如く翌年にメジャー2勝をマーク。世界ランクでも2位に大差をつけてNo.1に返り咲いた。来年がその再現となり、悲願のグランドスラム達成となればゴルフ界は大きな盛り上がりを見せるだろうが、果たしてどうなるか。
ゴルフセントラル 11月24日号より
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写真提供:Getty Images