昨季にジョーダン・スピースに世界王者の座を奪い取られたローリー・マキロイ。メジャー4勝を誇り、今季マスターズでの生涯グランドスラム達成にも期待がかかる26歳は、早くも今週開幕を迎えた米男子ツアーのフライズドットコムオープンで初日4アンダー68をマーク。日没サスペンデッドにより暫定13位タイにつけた。

（写真提供:Getty Images）

「なんとなく波に乗れないと感じた。プレーはいまひとつだったからね。バーディチャンスを何度も逃してしまい、パーの多いラウンドだった。素晴らしい大会だし、美しいカリフォルニアでは楽しめることが沢山ある。遊びすぎと二日酔いで翌日のゴルフに影響が出ないよう気をつけるよ」

シーズン初ラウンドを終えてこう話したマキロイだが、2011年のメジャ?初制覇以来、初日を4アンダー以下とした13試合中7試合で優勝、その7試合には去年の全英オ?プン、全米プロも含まれている。足首のケガの影響という不確定要素はあるが、4アンダー68でスタートさせた今週もトロフィを掲げる可能性は十分あるだろう。

しかし何より気になるのはやはりマキロイのメジャーでの活躍。来年4月に開催される今季メジャー初戦「マスターズ」が彼にとって1つの大きな山場であることは間違いない。これについて米国Golf Channel解説のブランデル・シャンブリーが興味深い話を聞かせてくれた。

「上は2012年以降、マキロイのマスターズでの成績とスコアです。2011年、最終日の後半、自滅して優勝を逃したあと、2012年以降、成績は良くなる一方です。マスターズを制するには72ホール中50ホール以上でパーオンが必要だと言われます。マキロイは、2014年、52ホール、今年は53ホールでパーオンしました。初日のマキロイのスイングは素晴らしかったですね」

「ダウン・スイングで体重をしっかり左足に移動しています。そして、パワーの源は上半身と下半身の捻転差にあります。切り返しで下半身がターゲット方向に動き始めても、上半身は時計回りの回転を続け、下半身とのねじれの差が大きくなっています。背中がターゲットを向くまで、肩をしっかり回していますよね。飛ばし屋と呼ばれる選手を見て明らかなように、捻転差が大きければ大きいほどパワーが増します。ゴルフの歴史を振り返っても、マキロイほど捻転差が大きい選手はそうはいません」

（ケガからの復帰後、PGAツアーで初日にアンダーパーをマ?クしながら優勝できていない原因は？）
「もっと実戦を重ねる必要があると思います。世界ランキングの順位に関わらず、どんな選手も、大会で競い合って自信を深めないといけません。ドイツバンクチャンピオンシップで4位タイを記録したときのマキロイには、ティーからグリーンまで、ショットが良くなった兆候が見られました。なかなか優勝できないのは、ラウンドの中盤、バーディチャンスを立て続けに逃してしまい、優勝争いしているほかの選手にプレッシャーをかけられないからです」

ゴルフセントラル 10月16日号より

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