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85年ぶりの快挙達成へ、ゴルフの聖地で最終日最終組でプレーするアマチュアゴルファーとは？

2015年8月8日（土）午後5:47

ハプニング続出の全英オープンゴルフ選手権が日曜の第3ラウンドを終了。27年ぶりのマンデーフィニッシュを前に、世界アマチュアランキング80位のポール・ダンが世界No.2のジョーダン・スピースを押しのけてリーダーボードのトップに立った。

アマチュアながら全英の大舞台で優勝争いに食い込んでいるダンは、アイルランドはダブリン生まれの22歳。今年の夏にグラエム・マクドウェルの母校でもあるアラバマ大学を卒業したばかりで、大学の試合では「67」が今年のベストだが、それを上回る「66」を全英オープンという大舞台の決勝ラウンドで記録した。54ホール通算12アンダーという全英史上の新たなアマチュア最少スコアも打ち立て、ジェイソン・デイ、ルイス・ウーストハウゼンとともに首位を分け合っている。

近年の全英で活躍したアマチュア選手を振り返ると、タイガー・ウッズ（1996年に22位）、ジャスティン・ローズ（1998年に4位）、ローリー・マキロイ（2007年に42位）、クリス・ウッド（2008年に5位）など数多くのスター選手が名を連ねるが、いずれも優勝には届いていない。このことからもアマチュアVの難しさは明らかだが、もしダンが今大会を制覇すれば、85年ぶりとなる1930年の球聖ボビー・ジョーンズ以来の快挙達成だ。

今年6月のNCAA（全米学生ゴルフ選手権）では個人戦で5位に入り、オールアメリカンに選ばれるほどの実力だが、現在のアマチュアランキングは80位。通常は大学卒業後にプロ転向となるが、ダンは9月に開催されるアマチュアの米国vs英国の対抗戦「ウォーカーカップ」に出場したいということでアマチュア資格を保持している。

昨年の全英オープンにも出場したが2打及ばず予選落ち。今年はスコットランドで開催された最終予選会でトップ通過を果たして二度目の全英挑戦となった。

タイトルや他の選手は気にしない、最終日は目標スコアを設定してそこに突き進むだけ

アマチュアとは思えないほど落ち着いたプレーを見せていたダンはインタビューでもトッププレーヤーのように堂々と受け答えしていた。

「フロント9ではいくつかラッキーなショットがあった。5番ホールで今大会初めてバンカーに捕まってしまった。バーディが狙えるホールなのにバンカーに2回も入れてパーセーブがやっとだったけど、その後前半は良いティーショットで勢いを取り戻した。バック9はショットも安定していたので明日もその調子を保ちたい。」とプレーを振り返った。

否が応でも緊張するだろう明日の最終日に向けては「最終日は目標スコアを設定してそこに突き進むだけ。タイトルや対戦相手のことは頭から追い出して、とにかく自分のゴルフに専念すること。誰でも63で回るチャンスはあるし、75を叩くことだってあるから他のプレーヤーのスコアはどうすることもできない。自分のゴルフに集中すれば結果はついてくる。目標設定は毎日続けてきたし、明日も同じことをやるだけ。」とコメント。

インタビュアーの「では明日の目標スコアは？」という質問に対しては「目標スコアはまだ決めていない。明日の朝、天気とピンポジションを確認してから決める。」と大学を卒業したばかりの22歳とは思えないほど、実に冷静な答えであった。