世界ランキングNo.1が不在で行われる全英オープンゴルフ選手権の注目のほとんどはジョーダン・スピースに向けられている。メジャー2連勝を達成し、さらには米ツアーでも圧倒的な成績を残す21歳の若武者が目指すのはメジャー3連勝のみだが、その意気込みを記者会見で語った。

「ゴルフの聖地でプレーすること以上に特別なことはないと思う。数年前にプレーしたことを今でも鮮明に覚えている。記憶が薄れることのない、数少ないコースの一つだ。こことオーガスタナショナルは世界中で1番好きなコース。まだ学ばなければならないこともあるが、準備はほぼ完了している。先週を含め、ここ数か月はとても良い感触をつかめている。ここで優勝できたら最高だし、ここでの勝利は格別だ」

（写真提供:Getty Images）

さらに記者からの質問で、ベン・ホーガンに次ぐ、シーズン最初のメジャー3連勝というチャンスを意識しているかと、問われると「もちろん意識している。ゴルフの歴史について勉強するのは好きだし、過去に一人しか達成していないことに挑戦できるなんて、滅多にあることではない。私のチームにとっても特別なチャンスだ。ただ、木曜日になれば、そのことについて意識はしない。この全英オープンを普段の大会と同じようにとらえて、優勝争いに絡めるように頑張るだけだ」と話した。

（全英オープンはあの天候の影響を受けることが大きいが、歴史的偉業のチャンスを前にそれは歯がゆいか？）

「私にとっては楽しみだ。好天を望むならカリフォルニアに行けばいい。過酷なコンディションのなかでの試練を楽しみにここに来る。予選ラウンドのスタート時間によって、2、3ストロークの差が出ることは分かっている。スタート時間に恵まれなかったら、挽回できないわけではないが苦しくなる。ただ、目まぐるしく天候が変わるここでは、運や不運は誰にも分からない。前向きな姿勢を保つことだ。木曜日は天候に恵まれそうなので、好スタート切るために多少のプレッシャーがかかることは間違いない。金曜日は雨と強風、午後になるとさらに強くなるようなので、全員が苦しむと思う。悪天候も全英オープンの試練の1つだ」

（2年前、最後の最後で全英オープンへの出場権を獲得して出場した。その時、今の状況を予想できたか？）

「当時は考えられなかった。2年前プレーしたミュアフィールドは今でも好きなコースだ。土曜日の途中でスコアを伸ばし、トップ争いに絡んだ時、自分には対処しきれないのではないかと思った。自信がなかった訳ではないが、メジャーでの優勝争いは初だったので違和感があった。でも上位につけたのは一瞬でその後は崩れた。今では優勝争いこそが、自分の望むもので違和感はない。メジャーで何度か優勝争いをして2勝した今では、当時とは大きく違う。2年前、こんな早い成長を望んでも、それは信じらない。だから、今こうやって歴史に挑戦できることを嬉しく思う」

今月に22歳の誕生日を迎えるジョーダン・スピース。過去6人がマスターズと全米オープンの両方を優勝し、全英オープンに乗り込んだが、優勝を果たしたのは1953年のベン・ホーガンのみ。アーノルド・パーマーやジャック・ニクラウスすらも達成していない偉業、そして世界ランクNo.1奪取への4日間となるだろうか？

LIVE FROM 全英オープン 7月16日号より

メジャー特別番組「LIVE FROM 全英オープン」7/14（火）より連日放送

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