現地時間20日に第3ラウンドを終了した全米オープンゴルフ選手権。最終18ホールを前にリーダーボードのトップには4人が並ぶ混戦となっている。最終日を前にした優勝争いからも目が離せないが、今大会は舞台となっているチェンバーズＧＣも注目の的となっている。

キャリアグランドスラム達成者のゲーリー・プレーヤー氏は、このコースを「グリーンを1ヤード外したら、50ヤードも転がってラフに落ちるなんて馬鹿げている」と一蹴。「これは私が知る限り、最悪なトーナメントだ」とまで言い切った。

不満の声は選手たちからも聞こえてきている。初日トップタイと絶好のスタートを切りながらも、2日目に38パットを叩いたヘンリック・ステンソンは、同コースのグリーンを「ブロッコリーのよう」と表現。

世界ランキングNo.1のローリー・マキロイは「ブロッコリーほど青々としていないのは間違いない。カリフラワーに近いだろう」と笑いながらも、グリーンについてこのようにコメントしている。

ローリー・マキロイ「もう少し天気が悪ければここまでひどくならなかっただろう。受け入れるしかない」

（LIVE FROM 全米オープンより）

「あれはあれで受け入れるしかない。価値観も違うし、あれで有り難いと考える人もいるだろう。もう少しコンディションが良くてもいいと思うが、7番など新しいグリーンの状態は完璧だ。フェスキューしか生えていなくて、ボールが転がる。ただ、ポアナ芝が混じっていると成長のスピードも違うので表面がでこぼこになってしまう。先週の日曜日にプレーした時は、ギリギリ大丈夫かと思ったが、そこから良い状態にするのは難しいようだ。練習ラウンドの時には、もっと青々させてよかったと思う。そして、トーナメントが始まってから硬くすれば良かった。そうすればグリーンはもっと良いコンディションになったはずだ。ただ、私はこの地域を良く知らないし、普段はこのように天気に恵まれないと聞いた。もう少し天気が崩れていれば、これほどひどくならなかったと思う」

ルイ・ウーストハイゼン「全英オープンタイプに見えて実は違う。難コースでは諦めたら終わり。」

（LIVE FROM 全米オープンより）

一方で、第3ラウンドで「66」をマークしたルイス・ウーストハウゼンは「このコースは独特で、ピッチングなどで転がして寄せる作戦が上手くいく」と攻略の糸口を明かした。リンクスタイプのコースで、全英オープンと比較されることも多いが「全英オープンタイプのコースに見えて、実は違う。ただ、いくつかの種類のショットを正確に打たなければいけないコースがとても好きだ」と好意的な見方をしている。また、「こういった難しいコースでは諦めたら終わり」とメンタル面の重要性も口にした。

松山英樹「セッティングが毎日変わるので、どういうコースか自分でも把握してきれていない。」

（LIVE FROM 全米オープンより）

日本勢で唯一予選ラウンドを通過した松山英樹も「良いショット、良いパットを打ってもスコアに繋がらないこともあるが、上手くプレーできていると思う」とコース攻略の自信を示した一人。「攻略には運も必要なのでは？」と聞かれると「運が必要なのはサンデーバックナイン。それまでは自分の技術で上位につけるようにしないといけない」と言い切った。一方で今回の変則的なコースセッティングについては「セッティングが毎日変わるので、どういうコースか自分でも把握してきれていない。」と戸惑いも。

ジョーダン・スピース「硬くなるとグリーンをオーバーすることも。ピンポジションが出たら作戦を考える。」

（LIVE FROM 全米オープンより）

最終日をトップタイで迎えたマスターズ王者のジョーダン・スピースは、第3ラウンドの2番で長いバーディパットを沈めた。本人は「2番のパットは、ちょうど良いスピードで打った」と話すが「入っていなかったら1.5メートルぐらいオーバーしていたと思う」とグリーンの難しさを強調。それでも「コースにはかなり慣れてきてボールがどう転がったり、どう弾んだりするのか予測できるようになってきた」と練習ラウンドも含め、数回のラウンドをこなすうちに対応することが出来てきているようだ。

（写真提供:Getty Images）

ただ、21歳の若武者は「コースが硬くなってきたことで上手く打ったのにグリーンオーバーになったことが何回かあった。明日はさらに硬くなると思う。ピンポジションが発表されたら作戦を考えたい」と警戒。優勝争いに向けては「明日は緊張すると思うが『自分はメジャーで優勝したんだ。メジャーを勝ったこともない人も多い』と思い、マスターズ優勝を糧にしたい。優勝するためには攻めのゴルフを続けないといけない」と話し「上手く感情をコントロールして勝ちたい」とメジャー連勝へ意気込んだ。

ジェイソン・デイ「フロント9は薬の影響でフラフラしていた」

（LIVE FROM 全米オープンより）

同じくトップタイから出るジェイソン・デイにとって気がかりなのは体調だ。第2ラウンドでは、最終ホールで良性発作性頭位めまい症に襲われて倒れこんだ。この日も「フロントナインは薬のせいでかなりフラフラしていた。バックナインで、それはなくなったが13番のティーグラウンドで再び感じた。一日中吐き気がして、16番のグリーン上では体が震えだし、早くラウンドを終えたいという気持ちだけだった」とかなり辛い状況でのプレーだったことを明かした。

いよいよ、残り18ホールを残すのみとなった今年の全米オープン。もちろん、優勝争いにも注目だが、これまでの経験を生かしてどのようにコース、そしてグリーンを各選手が攻略するのかも見どころとなりそうだ。

6月21日放送 LIVE FROM 全米オープンより

筋書きのないドラマ、あの興奮をもう一度！大接戦の全米オープンをプレイバック 6/27（土）?28（日）緊急放送決定

大接戦となった今年の全米オープンを視聴者皆さまからのリクエストにお応えして、緊急放送致します。難コース「チェンバーズベイ」を舞台に繰り広げられた熱い戦いをぜひご覧下さい。

【緊急放送】
6/27（土）午前11時?午後2時　「全米オープンゴルフ選手権3日目」
6/28（日）午前11時?午後2時　「全米オープンゴルフ選手権最終日」

※注意※
権利上の都合により、「全米オープンゴルフ選手権」の中継はGOLF NETWORK PLUS TV等での、パソコン・スマホ・タブレットによる「全米オープンゴルフ選手権」の配信はございませんのでご了承ください。