11月22日のインターネット検索で上位となった人物は「Chiris Como クリス・コモ」。

タイガー・ウッズが自らのTwitter（オンライン つぶやきサイト）で
「Happy to have Chris Como consulting and working with me on my swing. I’m excited to be back competing.」
『クリス・コモが自分のスイングのコンサルタントとして加わり、一緒に練習をする事になって良かった。試合に復帰できるようになって嬉しいです』と記していたのです。

コモ氏はカリフォルニア州出身、37歳のゴルフインストラクター。 現在はテキサス州ダラス郊外にあるコースの所属プロとして活動を続ける中、テキサス女子大のクォン・ヨンフー博士とゴルフ バイオメカニクスを研究、修士号を取得中だという。

12月2日、タイガー・ウッズの公式記者会見で注目を集めたのはコモ氏を選んだタイムラインや理由、これからの意向でした。

質問： ショーン・フォーリーコーチとの決別をした理由は？　何時変えることを決断したのですか？ スイングに関してどんな事をあなたはこれからやろうとしていくのでしょうか？

タイガー： 肉体的にやろうとしていたゴルフスイングの動きができなかったんです。　　ショーン（フォーリー前コーチ）とは、友人として今でもショートメールで冗談を語る間柄ですが違う方向に向かう事が必要でした。
背中のリハビリ中だったので、ゆっくり時間をかけてどうしたらいいかプランを考えました。
もう一度スイングを変える必要があるのか？ 変えるとしたらどれぐらい変えてどの道を進んだらいいのかと深く考えました。
そんなときもう30年以上の付き合いがあり信頼できる親友のノタ・ビゲイが、これまでのデータを持ってきてくれて長い会話を交わしながら、現在どうなっていて、これからどうしたらいいかを考えました。そして、もし興味があったらクリス・コモという人を紹介したいということでした。

スイングに関しての哲学や考えを聞いたらいいと薦めてくれました。その時は「わかったけど、もう少し自分で考えてみるよ」とすぐには連絡しませんでした。
少し時間が経ってから、クリスと実際に話をしたら、これから目標とするスイングの方向性がはっきりと見えてきて驚きました。クリスは私と非常に似た「ビジョン、考え」を持っていました。

質問：何が違うのですか？　　 昔の動きに戻るのですか？ それとも何か新しいものに挑戦するのですか？　 　 　 　

タイガー：新しくもあり、以前の実践したことでもあります。　もう少し詳しく説明すると、かなり長い間やっていなかった動きなんです。
ジュニア時代やアマチュアの頃のスイングビデオを探してきて、どのように動いていたのかを研究しましたが、その時は体が細かったですが鋭いスイングスピードを捻出していました。
どうやってあのスピード、パワーを出していたのか？を、調べていく事に興味をもちました。

質問：あなたはクリス（コモ氏）をコンサルタントと呼んでいましたが、これまでの契約コーチとはことなる扱いなんですか？

タイガー：はい、そのように私が希望しました。　私の頭の中で描いている考えているプランに添って、クリスも同じ考えていることが大事です。これから向かってく方向、どのように体を使い、スイングにして自分のゴルフを築き上げていきたいです。

質問：スイングを変えるということは時間がかかる作業だと思います。　これまでもブッチ・ハーモンからハンク・ヘイニー、ヘイニーからショーン・フォーリーと修正してきていましたが、今回の改造期間はどれぐらいになりそうですか？

タイガー：わかりません、わからないんです。　どれぐらいかかるのか私自身興味を持っています。　先ずは今週の試合をプレーできて楽しみです。　試合という緊張感の下で自分のスイングがどう反応するか？　特に良いショットに注目するのではなく、ミスがどこに行くかに注目ですね。　私の良いショットがどうなるかは判っています。　ミスショットがどこに行くか？ そのミスが納得できるものなのか？　（試合が始まる）木曜日までに、いろいろ状況の中でショットを打ち分ける事が必要なのかは分かると思います。
現時点ではしっかりとしたスピードが出ていること、自然にスイングができていることに満足しています。

記者会見が行われる2時間前からタイガーとコモ氏は「アイルワースG＆CC」の練習場でフルスイングの調整をしていた。
タイミング良く私はその場所に居たので、色々な角度からタイガーのクラブポジション、クラブフェースアングル、そして体の動きを観察することができました。

以前よりも左一軸のイメージを脱皮したというのが大きな印象ですが、細かく確認していると、フォーリー氏のアドバイスで、テークバック始動ですぐグリップエンドをインサイドに引いていた動きを辞めて、大きな弧を描くような昔のテークバックに戻したことが判ります。

今回確認できた3番ウッドやドライバースイングでのショットでは、ダウンスイングでのシャフトポジション、クラブヘッドアングルも凄く良いポジションに入っていたので完成度は高いですね。

しかし、タイガー自身が記者会見で「ミスショットがどこに行くか注目します」と語っていたように、競技の中でタイガーの悪い癖となる下半身が必要以上に暴れてしまったときに、上半身とのハーモニゼーション（調和）がどうなるのか？

またタイガーがこれまで問題を抱えていた左からの強い風にどう対応していくのかに注目でしょう。

ちなみに練習場ではタイガーが得意とする右から左に風が吹いていたので、心地よくボールを振り抜いていて、アイアンショットなど打った球の高さも一定していたことを記しておきます。

今週タイガーはナイキの最新モデル「Vapor」を投入。ドライバー、3番ウッド、5番ウッド、3番アイアンからPWまでと、11本バッグの中が入れ替わるということでギアマニアにとっては、こちらにも注目ですね。

（記事：アンディ和田）

ゴルフネットワークでは、タイガー・ウッズ主催「ヒーロー ワールドチャレンジ」を、
全ラウンド独占放送！
【放送日時】
１日目：12月5日(金)午前6:00?9:00(ディレイ中継)
１日目（松山英樹 特別版）：同日午前11:00?午後1:00、他

２日目：12月6日(土)午前4:00?7:00（衛星生中継）
２日目（松山英樹 特別版）：同日午前11:00?午後1:00、他

３日目：12月6日(土)深夜2:00?翌午前7:00(衛星生中継）
３日目（松山英樹 特別版）：12月7日(日)午前11:00?午後1:00、他

最終日：12月7日(日)深夜2:00?翌午前7:00(衛星生中継）
最終日（松山英樹 特別版）：12月8日(月)ひる0:00?午後2:00、他

【ヒーローワールドチャレンジ特設ページはこちら】

TWF： タイガー・ウッズ ファウンデーション（財団）とは・・・
※http://www.tigerwoodsfoundation.org/programs/twlc （公式HP 英語サイト）

タイガー・ウッズが長年力を注いで活動しているファウンデーションのご紹介です。


タイガー・ウッズのファウンデーションというと「ゴルフの上手いエリートジュニアの育成？」と思ってしまいますが、現在の活動は全く違うんです。

1996年にプロ入りした直後に設立した財団は当初世界各地でゴルフクリニックを行うなどジュニア育成に力を入れてきていましたが、9・11のテロ以来、「もっと自分にもやるべきことはあるはず」と父・アールさん（2006年他界）と相談し、勉学を中心・柱とした総合的なラーニングセンター建設を思い立ちました。

TWLC（ タイガー・ウッズ ラーニングセンター）：社会的・経済的に恵まれていない子供達に「学ぶ」チャンスを与え、将来大人になって社会で成功出来る様に、大学に進学に導く学習センター。
現在 南カリフォルニア、ワシントンDC（2校）、フィラデルフィア（2校）、フロリダが開校しています。

日本にはアメリカほどの社会的階級の差、所得・貧富の差がないかもしれないので少しぴんとこないかもしれませんが、アメリカの大都市では経済的に恵まれない子供達は本当に危ない環境の中で育っています。

中学・高校の勉強以外に学ぶチャンス、ご両親が共働きをしているケースで子供達が放課後にトラブルを起こさずに、このような勉強施設で安全に専門的なカリキュラムを学ぶチャンスがあるというのは本当に大事なことなんです。

タイガー・ウッズが怪我やプライベートな問題などで最近メジャーで優勝争いに絡む事が少なくなり、以前は応援していたのに最近はちょっと応援するのはなぁ・・・なんて思っている一般の方には、タイガーがゴルフ場以外で社会に貢献していることを知って欲しいと思いました。

（記事：アンディ和田）