小松直行の週刊オフチューブ - 愛と自由の国、オランダからKLMオープン
2015年7月15日(水)午前10:30
LIVE FROMのMCや欧州ツアー中継の実況を担当している小松直行アナウンサーが、ゴルフ最新ニュースをピックアップ。小松さんならではの視点からゴルフ界の最新動向をお届けします!
目次:
・愛と自由の国、オランダからKLMオープン
・歴代勝者の肖像:サイモン・ダイソン(イングランド;2009)
KLMオープン
先週のスイスから1500mの落差です。
世界のツアーで最大の垂直移動距離で、今週はオランダ。
北緯52度の首都アムステルダムの秋。世界遺産となっている町並み。
オランダの黄金時代を伝える運河の風景は400年の歴史。
今週の舞台は北海を臨む砂丘のなかのケネマーG&CC。
名匠ハリー・コルトがレイアウトした90年もの
秋が勝負どころというプレイヤーたちが来ています。
愛と自由の国、オランダから
KLMオープン、今週も勝者決するまでお伝えしてまいります。
【KLMオープン放送予定日時】
1日目: 9月11日(木)午後10:30?深夜1:30
2日目: 9月12日(金)午後10:30?深夜1:30
3日目: 9月13日(土)午後10:30?深夜2:00
最終日:9月14日(日)午後11:00?深夜1:00
*やめないで!横島シャツの似合う男、R・J・ダークセン
オランダのロバート・ヤン・ダークセン(40歳)は今年春先に今季限りでの引退を表明しました。今回が20回目の出場となる母国のナショナルオープンを「全力で戦う。もし勝てたらおとぎ話になるね」と言っていました。キャリア初優勝は2003年、ドバイデザートクラシック。エルスが首位に並んで迎えた最終日、ダークセンが65で回って先に上がって逆転優勝をさらいました。ダークセンはQスクールから上がったばかりで、かろうじて出場の順番が回ってきたこの試合でのシンデレラ初優勝でした。
*大会4勝目を狙うサイモン“カリメロ"ダイソン
イングランドのサイモン・ダイソンはキャリア6勝のうち3勝をこの試合でものにしています。ケネマーでは2度勝っていて、去年は3位。相性という点ではフィールドでナンバーワンでしょう。「この試合、このコースはやる気にさせるんですよ。楽しめないホールは一つもない。最初のホールに立ったとき、いいスコアになりそうだって期待させてくれるんです」とダイソン。
*危険なギャンブルか?!トーマス・ビヨーン急遽出場
2週間後のライダーカップに13年ぶりに出場するトーマス・ビヨーンはスポンサー招待で出場。ということは21日前のエントリー締め切り以降に出ることを決めたということになります。来週のウエールズオープンにもエントリーしているので、直前まで3週連続出場と言うことになりますが、ライダーカップで実力を発揮できるようにすることについて、「休みをとって、フレッシュな状態で臨もうという者もいるだろうが、私は試合に出続けたい。私の場合は連戦を続けていると終盤になって調子が上がってくるのがつねだから」「気持ちの面でも、まだ戦える状態にはなっていないかもしれない。もっと試合に出たいんだ」と言いました。調子がいいからライダーカップ選手になれたわけだけれども、このところ調子がいいと言えないので今週も出る、と言うことだとすれば、ファンとしては少し心配。もし、今週も来週もいま一つ、という結果になったらどうするのか。いえ、私はそんなときに敢えて試合に出てくることを選ぶビヨーンのファンなのですが・・・
*ベルギーの大砲コールサーツ、ショートゲームスランプ脱出へ
ベルギーのニコラス・コールサーツは今年も欧ツアーの飛距離部門では平均310ヤード。トップのブルックス・ケプカが311で僅差の2位。GIR(パーオン率)も7割を超えて22位でまずまずなのに、今年のコールサーツはパッティング部門で最下位のツアー184位。関連する寄せワン率(スクランブル率)も最下位。グリーンを外す回数はおよそラウンド平均5回でパーセーブできるのは平均2回。グリーン周りのバンカーからのセーブ率も29.4%で184人中183位です。飛ばしは大きな魅力なのに、ショートゲームが壊滅的で、今季の平均スコアは72.32(実際値)となっていて204人中162位です。しかし、明るい兆しと申しましょう。バレステロスによる改造で小技が要求される先週のスイスで最終日に65で回って13位タイに入りました。ジュニア時代からリンクスは慣れているコールサーツにとって、今週はホームゲームのようなもの。ちなみに、この大会で最多勝を誇り、17年のうちに5回勝っているのはベルギーのフローリー・ファン・ドンク。1930年代から60年代までにヨーロッパのナショナルオープンを総なめ、全英オープンでも何度か惜敗のベルギーのレジェンドです。
歴代勝者の肖像: |
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サイモン・ダイソンはサドンデス・プレイオフのひとホール目で勝負を決めたバーディーパットについて、興奮覚めやらぬといった様子で冒頭のように語った。かつて同じパットを沈めたという確かな感覚があったのだ。 |
アジアから颯爽と欧ツアーへ戻って来て、5年間は勝てなかったが、ゴルフが終われば仲間たちと楽しくやるのが一番だと考えていたらしい。しかし、仲のいいケネス・フェリーがジムへ通い始めて身体をしぼり、その結果として初優勝を遂げたり、ニック・ドハティーが、パーティー・アニマルの生活を悔い改め、フィットネスに精を出すようになって初優勝をものにしたのを目の当たりにして、ゴルフに真剣に取り組むようになったという。その成果が2006年の2勝だったわけだが、一気にブレイクして勝利数を増やしていくかに思いきや、なかなか実現しなかった。 |