海外男子

番組制作スタッフがフロリダから発信するユニークなゴルフ最新情報！

2014年12月11日（木）午後7:03

米フロリダ州オーランドより番組制作スタッフが、独自視点でお届けするユニークなゴルフ最新情報！

全米女子オープンゴルフ選手権優勝ミッシェル・ウィー
先週もゴルフ史の１ページを飾る話題に富んだ一週間となりました。

横峯さくら選手が７位タイにつける大健闘を見せた全米女子オープンでは、24歳という若さながら人生の大半スポットライトを浴びてきたハワイ生まれのミッシェル・ウィーが、タイガーを思わせるスティンガーショットを随所で放ちついにメジャー初制覇。

その大会には、まだジュニアツアーに参戦できる年齢に満たないあどけない11歳の少女、ルーシー・リーが予選会を突破して出場。二日間つづけて70台をマークするという信じがたいドラマも見られました。

一方、PGAツアー　トラベラーズ・チャンピオンシップでは、久々にセルヒオ・ガルシア、K.J.チョイ、アーロン・バデリーが来るかと思わせた大混戦の中、新記録となるあがり７連続バーディの大逆転優勝を35歳のケビン・ストリールマンが達成。
ストリールマンは、ゴルフの名門校、デューク大学出身ですが、在学中は優秀なゴルファーの証しであるオールアメリカンに選ばれたこともなく、ミニツアーから這い上がり、ツアー参戦後はスポンサー推薦も受けたことがない苦労人。今回ツアー2勝目をあげる前4試合連続予選落ちでしたから、最終日のバックナインをたった29のショット数で終えるパワーがどこから来たのか、聞かれて当然です。
ケビン・ストリールマンストリールマンは、毎週ツアーで開かれているBIBLE STUDY,　聖書の勉強会のおかげと答えました。敬虔なクリスチャンであるツアー仲間と聖書を深く読み解き、自分が直面している心の葛藤など、時にはそれをみんなでシェアしながら苦難を乗り越える術を模索していくその勉強会。現在中心になっているのはベン・クレーンでババ・ワトソンやザック・ジョンソン、バデりーもレギュラーとして参加しています。

ストリールマンは、このところゴルフのことばかり考えすぎていた自分を、先週の勉強会で学んだ教えとクレーンの助言によって解放したこと、そして愛するコートニー夫人と生後6ヶ月の娘、ソフィーちゃんを同行してのリラックスした日々が好プレーにつながったと信じています。コートニー夫人は、妊娠後期に多く発症する肝疾患と診断され、ソフィーちゃんを予定日より6週間早く帝王切開で出産。それが急遽12月26日となったため、クリスマス休暇で多くのお店が休業という状況でオムツなど必要なものを準備するのが大変だったそうです。
そんな苦労があった第一子誕生という人生最大の嬉しい出来事がストリールマンの人生に対する見方を変えたのは言うまでもありません。PGAツアーという世界最高峰の舞台で戦う時、優勝回数など数字でその選手の力量を判断されてしまうことが多い中、自分にとって大切なものは何か、ゴルフはただの職業でしかないというわかっていても過酷な生き残り合戦の中で忘れてしまいがちなことを、ストリールマンは聖書の勉強会で改めて思い知らされたのです。
しかし、ストリールマンのバックナイン28の秘密は、それだけではありません。
ストリールマンは、キャディに「よし、後半は29だ！」と言ったそうですが、それはTPCリバーハイランズのバックナインが大好きだからです。ストリールマンは、ルーキーだった2008年に10位タイにつけましたが、第２ラウンドを63とした時はバックナイン31、3日目62をたたき出した時の最後の9ホールは30でした。そんな過去のプレーを思い出し、29で回るぞと言い、それをワンストローク下回る28を記録したストリールマン。　それにしてもあの16番の11メートルを超えるバーディパット、最後に 90度曲がってカップインしたかのように見えましたが、あれはまさに神がかりでした。
ゴルフに縛られそうになっていた自分の心を開放し、大好きなコースで翌週からのバケーションでニジマスを釣ることを考えてプレーしたというストリールマン、一文無しからミリオネアへの道は険しいものであったに違いありませんが、まだ35歳。ストリールマンの本領発揮は、これからかもしれませんね。

タイガー　ウッズ先週は、驚きのアナウンスもありました。タイガーは、タイガー・ウッズ・ファウンデーションを支える大会、今週のクィッケン・ローンズ・ナショナルでのカムバックを表明。
3月31日に腰の手術を受けたタイガーは全英オープンでカムバックと予想する人がほとんどでした。勝てると思わなければ出場しないと言ってきたタイガーは、全英のための肩慣らしならぬ腰慣らしをするつもりなのでしょうか？残る二つのメジャー、全英も全米プロも優勝したことがあるコースが舞台。
メジャー14勝のタイガーは、その14勝目まで　通算18勝の記録保持者、ジャック・二クラスよりもほとんど早いペースで達成してきたものの、2008年の全米オープンを最後に足踏み状態。今年勝てないと15勝目は二クラスよりも年をとっての達成となります。何事にも負けず嫌いのタイガーですが復帰が早すぎたと後悔しないことを祈ります。