海外男子

番組制作スタッフがフロリダから発信するユニークなゴルフ最新情報！

2014年12月12日（金）午後7:14

米フロリダ州オーランドより番組制作スタッフが、独自視点でお届けするユニークなゴルフ最新情報！

リッキー・ファウラーとマーティン・カイマー 1997年の全米オープンで18位タイにつけ初めて世界ランク１位になったタイガー・ウッズ。
あれから17年の記念すべき日に、アメリカのナショナルチャンピオンシップを制したのは、元世界ナンバーワン、ドイツのマーティン・カイマーでした。
祖国の大先輩、ベルンハルト・ランガーは全米オープン・ゴルフ選手権に20回出場し、トップテンが２回だけだったのに、カイマーは７回目の挑戦で見事頂点に立ち、大陸ヨーロッパ出身として初の全米オープンチャンピオンになりました。初日からUSGAをあわてさせる快進撃で、数々の大会およびメジャーの記録を更新し、首位の座を一度も失うことなく終わってみれば８打差の圧勝。最後に決めたあのパーパットが、今季のカイマーの強さを表している気がします。

2010年全米プロ・ゴルフ選手権でメジャー初制覇を果たした時カイマーは25歳。「勝てると思っていなかった。自分でも驚いた。」というカイマーも、優勝後ドイツで大きく注目されたこと、世界ナンバーワンとしての重圧も重なり、良いプレーをするのが難しくなってしまったそうです。メジャータイトルはその選手を飛躍させるものであるべきなのに、本来のゴルフを失ってしまうような重荷になってしまうなんて悲しいことです。

パインハーストNO.2 アメリカのゴルフ史を飾る貴重なコース、パインハースト・ナンバー２で、最初に全米オープンチャンピオンとなったペイン・スチュワートは不慮の事故で帰らぬ人となり、次に栄冠を手にしたマイケル・キャンベルは、まさに有名になったことでゴルフ人生と私生活までも乱されてしまい出場資格があるのに今回欠場。
次回全米オープンがパインハーストに戻ってくるのは何年後かわかりませんが、その時過去のチャンピオンが不在になることはなさそうなのでほっとしました。

それにしてもアメリカでの３勝が、全米プロ、プレーヤーズ、全米オープンとはすごすぎます。それどころか、カイマーが言っていた“ GERMAN GRAND SLAM "（ランガーがマスターズ、カイマーが全米プロと全米オープンを制し、残すは全英オープンのみ）今年達成されるかもしれません。グリーンからこぼれた時ことごとくパターを使っていたことを聞かれ、「全英であのやり方で上手くやってきたから」と答えたカイマー。
スコットランド生まれのドナルド・ロスが設計したあの大きなグランドスタンドを背景にした荒々しい18番ホールが全英の舞台とダブったのは私だけでしょうか？
そのGERMAN GRAND SLAM を阻むのは日本人選手であってほしいものです。
今回荒野の戦いに挑んだ４人のサムライは、日本のファンの期待に応えることができませんでした。初日好スタートを切った去年初出場で10位の実績を持つ松山英樹選手の35位が日本勢のベスト。このコースでは力不足と冷静に自分を分析していた松山選手。周りからの大きな期待に潰されそうにない強靭な精神力は、PGAツアー仲間も認めるところ。勝てると信じる気持ちは１番の武器。去年初めて挑んだ全英オープンは、全米よりも良い６位でした。

マーティン・カイマー,リッキー・ファウラー,エリック・コンプトン Michael Fitzpatrick 第114回全米オープンでカイマーに次ぎ、２位に並んだのが共に米国生まれ、フロリダ在住のリッキー・ファウラーとエリック・コンプトンでした。
コンプトンの経歴はご存知の方も多いでしょう。２度の心臓移植を受け、３つ目の心臓で戦うコンプトンにとって命をつないだ術後の人生は全てがボーナスと言っていいほど。　PGAツアーで記念すべき100試合めに人生最大の賞金（およそ８千万円）を手にし、マスターズ初出場と来年の全米オープン出場を決めました。
今年の全米オープンを前に経験したメジャーは2010年の全米オープンだけ。その時は予選落ち。それだけにあのコースでダブルボギーを一度も叩かず、一時カイマーに４打差まで迫ったのはあっぱれです。何より来年は心身ともに負担の大きい36ホールの予選会から挑戦しなくていいというのは嬉しいでしょう。
一方ファウラーは今年最初のメジャー２試合、マスターズ（T5）と全米オープン（T2）でいずれも５位以内という唯一の選手。今シーズン19試合中７試合で予選落ちを喫しているにも関わらず、大舞台に強くすでに２億５千万円近くを稼いでいます。リッキー・ゆたか・ファウラーのメジャー初制覇もそう遠くはないかもしれません。
コンプトンは、ファウラーと釣りを楽しんだ時の写真を載せて、準優勝を分かち合うのに最高の相手とつぶやきました。お互い、今度はもっと大きい獲物をと誓い合ったことでしょう。

松山選手が優勝したメモリアルはスリルいっぱいのローラーコースター、続く大会は悪天候による遅れでマラソンゴルフ、そして先週はワンマンショー、はたして今週のトラベラーズ・チャンピオンシップはどんな展開に？
日本からは石川遼選手と今田竜二選手が出場します。
石川遼選手　今田竜二選手
リードをとっても守りに入らない、そんなカイマーのようなプレーを二人に、そしてブラジルで戦う日本代表に望みます。