全英オープン会場のロイヤル・リバプールGCからの現地リポート?7月21日(日)?

初めて間近で観戦した全英オープン。日曜日は願ってもない展開になりました！
ゴルフチャンネルのチームジャパンは日本人選手２人を追うため、早めに会場入りしました。少し冷たい風が心地よく感じられ、もやがかった青空が広がる朝です。
午前９時４５分、ローリー・マキロイがスタートする５時間前とはいえ、既に多くのギャラリーが入場ゲ?トに殺到しています。
最終日の入場券がかなり前に売り切れてしまう全米オープンや全米プロと違い、まだチケットは残っていて、価格は７５ポンド(約１万３千円)と高めですが、売れ行きは好調のようでした。

私達は中継所を出て、４番グリ?ンのそばを通ってから入場ゲートへ。
練習場に向かう途中、小田孔明選手の組を見かけました。小田選手は通算シックス・オーバー、猛チャージは望み薄かと思ってしまいましたが、その後、４連続バーディなどで素晴らしい見せ場を作ってくれました。

一方、松山英樹選手はそれほど有名ではないＤＡ・ポインツと同じ組だったとはいえ、大勢のギャラリーが２人を追っていました。そのため、５番ホールでは松山選手がティーショットを打つところが見えず、ボールが弾かれる力強い音とギャラリーの「グレート・ショット！」という叫び声で、いいショットだったんだとわかりました。フェアウェイを歩く松山選手の表情は、いつものように冷静そのものでした。

松山選手の組についているとき、小田選手が怒涛のバーディラッシュを見せたと聞き、１６番ホールに駆けつけました。
コースではWiFiや携帯端末はあまり頼りにならないので、記者からの情報、ときにはギャラリーから聞いたことが役立ちます。
タイミングよく１６番で小田選手が見事にバーディを奪うのを見ることができラッキーでした。
　

小田選手がラウンドを終えるのを見届けたあと、３番のティーイング・グラウンドの後方、クラブハウスの近くにあるMIXED ZONEに向かいました。MIXED ZONEはアメリカの大会ではQUICK QUOTE AREA (即席会見場) と呼ばれ、選手がマイクの前で立ったままメディアの質問に答える場です。
ここに来るたびにワクワクしますが、質疑応答を終えた選手とのインタビューが控えていると思うと少し緊張します。選手と話すのは大好きですが、カメラの前ではどうしてもアガってしまいます。

そして、午後２時４５分、いよいよローリー・マキロイがスタート。
１番と１８番の観客席は既に満杯で、１番のフェアウェイの左右では、物凄い数のファンが固唾をのんでマキロイの最初のショットを見守っていました。
１番ティーに移動するためには、クラブハウス前のパッティング・グリーンをあとにしてから、３番ホールのフェアウェイを横切り、階段を上り下りして、渡り通路を抜けないといけません。１番ティーに向かう間、そして、最初のティーショットを放ったあと、マキロイは誰よりも大きな歓声を浴びながら、自信に満ち溢れた表情で歩いていました。
全英オープン最終ラウンド、ドラマの最終章が遂に始まったことを実感しました。

２０１４年の全英オープンでローリー・マキロイのメジャー３勝目を目の当たりにできた私は本当に幸運でした。２０１２年、キアワ・アイランドで開催された全米プロでマキロイが優勝したとき、会場で感じたあの興奮や熱気が蘇ってきました。
ローリー・マキロイほどカリスマ性を秘めた選手はいませんし、全英オープンに匹敵するトーナメントなどありません。
この大会に戻ってくる日を楽しみにしながら、みなさんとお別れです。
頑張れニッポン勢！

筆者：トム・グレゴリッチ
ゴルフチャンネルのアソシエイト・プロデューサー。
スポーツと旅行をこよなく愛し、第２の故郷、日本・アメリカ・スペイン・メキシコで暮らした経験をもつ。
ゴルフのほかにもサッカ?と野球の大ファン。頑張れタイガース！