海外男子

番組制作スタッフがフロリダから発信するユニークなゴルフ最新情報

2015年3月3日（火）午後5:56

米フロリダ州オーランドより番組制作スタッフが、独自視点でお届けするユニークなゴルフ最新情報！

シェル・ヒューストン・オープン最終日マット・ジョーンズ＆マット・クーチャー “タイガー・ウッズが、プロ転向後初めてマスターズを欠場！”衝撃のニュースでスタートした先週をしめくくったのは、マット･ジョーンズのドラマチックなチップインでした。
悪天候が予想され、スタート時間が早まったシェル・ヒューストン・オープン最終日・・・何かが起こりそうなグレーの空、グレーのセーター姿の33歳のマット・ジョーンズは、スタート時トップと６打差。一刻も早くラウンドを終え、オーストラリアで待つ妻、２歳、そして３ヶ月の子供達のもとへと帰りたいと考えていたかもしれません。しかし伸び悩むマット・クーチャーに対し、ジョーンズはバーディを重ね優勝争いに絡みます。 18番では14メートルのパットをねじ込み、72ホールを終了した中でトップの15アンダーでフィニッシュ、クーチャーと１打差に迫りましたが、クーチャーが18番でフェアウエイを捕らえたとき、勝負ありと思った人は多かったのではないでしょうか？ところが、クーチャーは痛恨の池ポチャ、プレーオフにもつれ込み、そこでジョーンズに42ヤードのチップインでとどめを刺されてしまいました。２週連続で、最終日トップに立ちながら勝てなかったクーチャーに対し、ジョーンズは72ホールめ、そして73ホール目と18番で続けて劇的なバーディを奪い、ＰＧＡツアー初優勝を成し遂げ、オーガスタナショナルへの最後の切符を手にしました。
マスターズを前に、全ての不運に見舞われたと思いたいクーチャーと、ミラクルが底をついてしまったと思いたくないジョーンズ・・・オーガスタでの二人の運命、楽しみです。

石川遼選手は、残念ながら６年連続マスターズ出場は果たせませんでしたが、ＰＧＡツアーメンバーの一員として大きな舞台で揉まれ、一回りも二回りも成長した姿を日本で披露してくれるはずです。オーガスタナショナルでアザレアの花は見られなかったかもしれませんが、桜咲く日本で過ごす時間も貴重なものになるに違いありません。そして石川選手の分まで松山英樹選手ががんばってくれると信じています。

タイガーウッズそれにしてもタイガー・ウッズのいないマスターズ、やっぱり寂しいですね。アメリカのメディアのほとんどが腰を痛めたのは、日頃のハードなエクササイズの代償と見ています。サム・スニードが持つＰＧＡツアー82勝とジャック・二クラスが持つメジャー18勝の記録を塗り替えるために長くプレーしたいと言うタイガーですが、リハビリ後、スイング改造を余儀なくされるかもしれないこと、来年の終わりには40歳になる事実、それらを考えると本人も不安なはずです。膝やアキレス腱、脚、肘など度重なる故障に見舞われ、怪我を予防するために身体を鍛えていると言うタイガーがメジャーを欠場するのは、ここ７年で５回目です。
メジャーと言えばタイガーだったその昔、特に1997年のマスターズで２位に12打差、2000年の全米オープンゴルフ選手権で15打差の圧勝を果たした頃、前人未到の記録。今の４大メジャーになってからの年間グランドスラムを達成できる人がいるとしたらタイガーしかいない、そう期待したのは私だけではないでしょう。２年にまたがったとはいえ、４大メジャーを続けて制し、いわゆるタイガースラムを達成しすべてのメジャーで最低３勝、しかし通算14勝に達した2008年から、足踏み状態が続いています。究極の負けず嫌いだからこそ、数々の記録を更新し続けてきたタイガーですがそろそろ弱い部分、いえ人間らしさを見せてもいいのでは？『認めたくないけど、椎間板ヘルニアと診断されちゃったよ。ちょっとかっこ悪いね。タイガーのイメージが壊れたらごめん。でも今度こそメジャー19勝のためにも無理をしない。だからしばらく休むけど待ってて欲しい』と言うのは、そんなに難しいことですか、タイガー？確かにあの近寄りがたいカリスマ性に富んだタイガー・ウッズのイメージを崩したくないでしょう。でも、ファンはちょっと位普通の人になっても元気で強いタイガーを見たいのです。そのためにも復帰を急がないこと。
97年マスターズ優勝の際、泣きながら抱きしめてくれた天国のお父さんも、“急がば回れ、息子よ”そう言っているのではないでしょうか？