米男子ツアーのザ ホンダ クラシックが開催されているPGAナショナル チャンピオンコースと言えば、終盤の3連続難関ホール（15番、16番、17番）が名物。しかし、大会初日のラウンドでは、通称“ベアトラップ"以外にも強風が選手たちの前に立ちはだかった。

（写真提供:Getty Images）

セルヒオ・ガルシアが2オーバー72、ローリー・マキロイとジャスティン・ローズが3オーバー73、グラエム・マクドウェルが4オーバー74、ビリー・ホ?シェルが6オーバー76、ダスティン・ジョンソンが7オーバー77と有力選手たちが軒並み崩れた初日。アンダーパーでラウンドしたのは、わずか19人だけだった。

ホールアウト後、選手たちは強風について口を揃えた。

ローリー・マキロイ
「今日のように風が強いと、パッティングに最も影響するね」

リッキー・ファウラー
「風がなければ真の腕試しになる。極端に低いスコアは誰も出ていないからね。あれほどの強風の中では、かなり頑張らなくてはいけない」

ベン・クレーン
「この強風の中で、2メートル前後のパーパットは厳しい。横風だとカップの幅ぐらい流されることがあるので、自分を信じて打つことができない」

ザック・ジョンソン
「今日のような強風だと、風に注意を払う必要があるからパットはショットぐらい難しい」

マーティン・カイマー
「（強風を攻略するには）とにかくフェアウェイに運ぶこと。横風も多く苦労したよ」

パドレイ・ハリントン
「難しいティーショットが多かった。強風の中フェアウェイを捉えなければと、プレッシャーがかかるので勇気が必要。ミスショットは覚悟でタイミング良く打って、あとは運命を受け入れるしかないね」

メジャーチャンピオンが運命を受け入れるしかないと話すぐらいだから、いかに風が強かったのかがうかがえる。では、なぜ強風だとプレーに苦しむのだろうか？　米国Golf Channelの解説者ブランデル・シャンブリーは「まず、体のバランスを崩しやすく、それによって生じるミスを悪化させます。高く上がったボールは、風の影響で思わぬところへ行ってしまうことがあります。そして、普段やらないことをやってしまう気持ちを抑えるのも大変です」と理由を解説。

さらに「強風を誰よりも上手く対処していたのは、アンディ・ビーン、ジャック・ニクラウス、トム・ワトソンの3人だと思います」と、名プレーヤー達の名前を挙げ「彼らは強風の中でも、自分のゴルフを変えようとはしませんでした」と、攻略のヒントを提示した。

2001年に全英オープンを制した経験を持つデビッド・デュバルは「私は、追い風ならより多くスピンがかかるように打ちました。着地した時に止まる確率が高くなるからです。逆に向かい風なら、スピンを極力減らすようにしました。ボールは風で勢いをなくして、止まるからです。向かい風の中、スピンをかけすぎると、浮力で浮き上がってコースから外れてしまいます。私がアゲンストで強く打つのは、2番か3番アイアンで地面を這うような低いショットを打つ時だけです。横風の時は、それを上手く利用しました」とテクニックをアドバイス。

2日目以降も強風が予想される今大会。風を味方につけたものが最後に笑うこととなるのは間違いない。トッププレーヤーたちのコース攻略だけではなく、自然対策にも注目だ。

2月27日放送 ゴルフセントラルより

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