シーズン2勝に1番乗りはエリートの証？? ジミー・ウォーカー

テキサス2連戦の初戦を飾るバレロテキサス オープンは、地元サンアントニオ在住のジミー・ウォーカーが制し、今季初めて54ホールのリードを勝利につなげたチャンピオンとなり、誰よりも早くシーズン2勝目に達しました。
フェデックスカップのポイントランキングを見ていると、昨シーズンと勘違いしてしまうかのように今年もトップを行くウォーカー。1年半前は、ほぼ無名だったウォーカーが、今ではゴルフファンなら知らない人はいないどころか、正真正銘の強豪のひとりに。

PGAツアー188試合目、2013-2014年シーズンの開幕戦、フライズ ドットコム オープンで初優勝のジミー・ウォーカーは、その後の37試合目で4勝をあげました。ツアーで誰よりも昨シーズンからの通算優勝回数が多いウォーカーは“エリート・プレーヤー"と呼べるかどうか、メディアの間では賛否両論です。　
「もちろん、エリートだ。昨シーズンから5勝、去年のメジャー4試合中3試合でトップテンだから当然だ。ライダーカップではシングルスマッチでリー・ウエストウッドも倒している。世界ランクでも10位だ」という人もいれば、
「5勝しているといっても視聴率が低い大会ばかり。もっとビッグな大会、WGCやメジャーで勝たなければエリートとは言えない」。 という厳しい意見もあります。

確かにウォーカーの優勝した5試合にローリー・マキロイは出ていませんでしたし、先週のバレロテキサス オープンを除き、ウォーカーが勝ったのはほとんどのビッグネームがシーズンデビューを果たす前に開催される大会です。しかし、勝ちは勝ち。昨シーズンのフェデックスカップ　プレーオフシリーズでは、初戦のザ・バークレイズでは予選落ちを喫したものの、残る3試合は、9位、20位、17位と全て20位以内、第5のメジャーといわれるザ・プレーヤーズチャンピオンシップでも6位につけました。

マスターズ優勝候補に松山英樹も

何よりエリートプレーヤーと呼ばれるにふさわしいのは、多くが来週のマスターズでジミー・ウォーカーを優勝候補に挙げている点です。
“エリート"の定義に個人差があるとは言え、何十人もいるわけではない優勝候補に含まれるのは、優れたゴルファーだからこそ。
ゴルフチャンネルの番組に登場するゴルフライター、ジェフ・シャックルフォードは、ウォーカーを含め候補を12人挙げ、その中から勝者が誕生すると保証してもいいと言っていました。その中には松山英樹プロも含まれます。

シャックルフォードが選んだ12人は（順不同）、ババ・ワトソン、ジョーダン・スピース、ダスティン・ジョンソン、ジェイソン・デイ、ローリー・マキロイ、ジミー・ウォーカー、アダム・スコット、松山英樹、パトリック・リード、ルイ・ウーストヘイゼン、ヘンリク・ステンソン、マット・クーチャーです。
今季2勝目を挙げて初めて世界ランクでトップテン入りを果たしたジミー・ウォーカーに対し、100位圏外へはじき出されてしまったタイガー・ウッズ。
火曜日の朝、オーガスタ・リージョナル空港でタイガーのプライベートジェットが目撃されたそうですが、マスターズに出場するかしないかは直前まで伝えなくてもいいそうなので、私達は最後の最後までヤキモキさせられるかもしれません。

マスターズの前哨戦　?　シェルヒューストン　オープン

ジミー・ウォーカーは、月曜日、オーガスタ・ナショナルで練習しましたが、体調がすぐれないとのことで、出場予定だった今週のマスターズの前哨戦、シェルヒューストン オープンを棄権しました。
それでも先週2位につけ世界ランク4位となったジョーダン・スピースや、8位のセルヒオ・ガルシア、フィル・ミケルソン、アーニー・エルス、リッキー・ファウラー、マーティン・カイマー、マット・クーチャー、パトリック・リード、キーガン・ブラッドリー、ルイ・ウーストヘイゼン、ジャスティン・ローズら、来週マスターズに出場する36人をはじめ、スターが勢ぞろいとなりました。

シェルヒューストン オープンは、1946年の第1回大会で最終日に68で回ったバイロン・ネルソンがベン・ホーガンに2打差、サム・スニードに3打差をつけて優勝という栄えある大会。
より多くの強豪の出場を願ってマスターズの前週の開催となった2007年以降、2013年を除き毎年マスターズの前哨戦として開催されています。
また、オーガスタ ナショナル ゴルフクラブに少しでも近づくコンディションにしようと、開催コースをトーナメントコース・アット・ゴルフクラブ　オブ　ヒューストンに変えたのが昨シーズン。　グリーンのスピードをスティンプメーターで12フィートに設定し、グリーン周りやウォーターハザードの土手のラフを短く刈るなど来週のマスターズに出場する選手に配慮しています。

日本からは石川遼プロが出場。

石川プロがマスターズから招待を受けるには、今週優勝するしかありませんが、去年のチャンピオン、マット・ジョーンズ、2013年のＤ．Ａ．ポインツ、2008年のジョンソン・ワグナーと、過去7年で3人が最後の最後にマスターズへの切符を手にしています。
2009年から毎年出場の記録が2013年で途絶えてしまった石川プロ。2年連続欠場とならないよう、初日からの好スタートを期待します。

ミケルソンのようにメジャーの前週は試合に出て準備を整えたい選手、自分のペースで大会に出ずに調整を図りたい選手、さまざまですがファンも含め、心はすでにオーガスタという人がほとんどだと思います。　今年の冬はアトランタ地方はかなりの低温だったため、オーガスタナショナルを引き立てるアゼリアの花が咲いているのか心配です。　オーガスタの東でほぼ同じ緯度に位置するサウスカロライナ州の町で今週末行われるフラワータウンフェスティバルでは満開が期待されるとのことなので、今年もアゼリアが咲き乱れるマスターズになることを祈っています。

PGAツアー「シェルヒューストン オープン」は、全ラウンド衛星生中継でお送りします。
【LIVE放送日時】
１日目：3日(金)午前4:00?
２日目：4日(土)午前4:00?
３日目：4日(土)深夜2:00?
最終日：5日(日)深夜2:00?

また、「PGAツアーハイライト?今日の石川遼」も連日放送！ぜひお楽しみに。

筆者：Makiko Minoya
1995年 州立セントラルフロリダ大学 ジャーナリズム科卒業
1996年 ゴルフチャンネル入社（米フロリダ州オーランド）
好きなゴルファー：タケ小山プロ

（写真提供:Getty Images）

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