先ごろ過密日程を理由にリオデジャネイロ五輪への出場辞退を表明したアダム・スコット（豪）に対し、様々な意見が飛び交っているようだ。英『ガーディアン（電子版）』など複数のメディアが現地時間21日、今回の出来事についてジャック・ニクラウス（米）らゴルフ界の声を伝えつつ、豪州水泳界のレジェンド、ドーン・フレイザーの批判的な発言などを併せて報じた。

　同紙によると、ゴルフ界の“帝王”ことニクラウスはスコットの辞退を「悲しいこと」と表現。一定の理解を示す一方で「五輪にとってもゴルフ界にとっても悲しい」と語っている。また、米男子ツアー25勝、メジャー2勝のジョニー・ミラー（米）は「国のために戦うことは自分一人の戦いよりもはるかに大きなもの」と、国を代表して戦う意義を強調し、レジェンドからのネガティブな意見が取り上げられている。

　かねてからメジャー大会優先の姿勢を示していたことからも今回の発表はある程度予想の範囲内とも言えたが、やはり現在の男子ゴルフをけん引する選手の一人による辞退の波紋は大きく、水泳界からは豪州代表として3つの金メダルを獲得したフレイザーから「よくやりましたねアダム。母国を後回しにして自分のスケジュールを優先するとは素晴らしい」と手厳しいコメント。「人生でいくらのお金が欲しいの？」などとフェイスブックを通じて批判的な見方が示された。

　その一方、スコットの行為を「個人的な決断」とした元豪州ツアー会長のジャック・ニュートンが同選手への扱いは不公平であると擁護の姿勢を見せるなど、今回の一件についてはその他にも様々な発言が各メディアで報じられている。先ごろにはビジェイ・シン（フィジー）、スコットに続いてルイス・ウーストハウゼン（南ア）も出場辞退を発表したリオ五輪ゴルフ競技。他選手の今後の動向に注目が集まる。