復活にかけるタイガー・ウッズ（米）がいよいよ2011シーズンをスタートさせる。

　現地時間27日に開幕する米男子ツアーのファーマーズ・インシュランス・オープン（カリフォルニア州、トリーパインズGC）に出場するタイガー。開催コースのトリーパインズGCでは目下5連勝中と相性の良い舞台で今季初戦に臨むことになるが、今週発表された最新世界ランキングでは前週の2位から3位へと後退。昨年世界ランクNo.1の座を奪われたリー・ウェストウッド（英）だけでなく、26歳の新鋭マーティン・カイマー（独）の後塵をも拝する屈辱を味わいながらの初戦となってしまった。

　これも昨シーズン、一連の不倫スキャンダルで序盤を棒に振った挙句、試合勘が戻らずプロデビュー以来初のシーズン未勝利に終わったために他ならない。だが、そのことを十分自覚しているタイガーはすっきりした表情でトリーパインズGCに現れた。「去年はゴルフ以外の事に振り回され過ぎた。でも人生は前へと進むものだし、今年は自分のあるべき姿が見える。高いレベルでゴルフをするためには、気持ちがクリアであることが大切だ。それがバランスを保つことの助けになる。今の自分の生活は、以前よりバランスが取れている。これは僕にとって素晴らしいことだよ」と胸中を語っている。

　過去を清算することでゴルフに専念できる喜びを感じているタイガーは、前向きな気持ちでシーズンに挑もうとしているのだ。長い間痛みを抱えていたヒザの故障からも解放され、数年ぶりに肉体的に問題のないオフを過ごして練習量も十分。「去年はスイング改造に時間がかかり、パッティングの練習にあまり時間を割けなかった。今年はオフにたくさん練習できたからストロークの感覚がよみがえり良いフィーリングを取り戻せた」と白い歯をこぼし、米ツアーでは2009年9月のBMW選手権以来となる優勝、そして自己ワーストシーズンを送った昨季を払拭する復活Vへ向け自信を見せた。

　注目の大会初日、タイガーは2008年全米オープンで19ホールに及ぶプレーオフを戦ったロッコ・メディエート（米）、アンソニー・キム（米）と同組でプレー。その他、タイガーと同じく今季米ツアー初登場のフィル・ミケルソン（米）、前週ボブホープ・クラシックでベネズエラ人初となる米ツアー優勝を飾ったジョナサン・ヴェガス（ベネズエラ）、ベテランのビジェイ・シン（フィジー）、ダスティン・ジョンソン（米）、ジャスティン・ローズ（英）らが出場し、打倒タイガーの戦いを繰り広げる。

　日本勢では、米ツアーで7年連続シード権を保持している今田竜二と、米ツアー日本人歴代最多3勝を誇り今季もソニー・オープン・イン・ハワイで優勝争いを演じた丸山茂樹が参戦する。