「全盛期の自分を思い出した」と言うリー・ウェストウッド（英）が逆転賞金王に王手をかけた。

　賞金ランク上位60名のみに出場が許されるエリートフィールドで競われる欧州ツアーの今季最終戦ドバイ・ワールド・チャンピオンシップ（UAEジュメイラ・ゴルフ・エステーツ、アースC）。現地時間の21日、第3ラウンドの競技を終え前日トップに立ったウェストウッドが、6バーディ、ノーボギーの快調なゴルフで通算15アンダーまでスコアを伸ばし、首位の座を守った。

　2打差の2位にロス・マクゴーワン（英）が続き、現在賞金ランクトップの20歳ローリー・マッキルロイ（北アイルランド）は通算10アンダーでパドレイ・ハリントン（アイルランド）、アレクサンダー・ノレン（スウェーデン）と並び3位タイにつけている。またセルヒオ・ガルシア（スペイン）とジェフ・オギルビー（豪）が通算9アンダーで6位タイに浮上したが、初日のトーナメントリーダーのロバート・アレンビー（豪）はスコアを落とし、通算6アンダー15位タイに後退した。

「連戦連勝だった時代の感覚が甦っている」と言うのは現在賞金ランク2位につけ、00年以来9年ぶりの賞金王奪還を目指すウェストウッド。ショット、パットともに冴え、苦戦するライバルに大きく水を開けた。「自分は世界で30勝挙げている。これだけ勝っている人間は今回のこのリーダーボードには居ない。何だか今、凄く自信に溢れているんだ」と逆転でのタイトル奪取に手応えは十分の様子。

　一方のマッキルロイは15番まで6アンダーペースで回っていたが、16番でセカンドショットが池の淵につかまってボギー。続く17番では「難しいラインだった」とグリーン上で3パットして連続ボギー。さらに最終18番では池に入れ、上がり3ホールで3つスコアを落として大きく後退した。詰めの甘さは、まさに若さが露呈した格好だが「でもまだ優勝を狙えるポジションに居る」と諦めない姿勢を鮮明にしている。

　果たしてこのままウェストウッドが逃げ切って、逆転でビッグタイトルを獲得するのか？　それとも1970年代にセベ・バレステロス（スペイン）が記録して以来の最年少賞金王の座にマッキルロイが就くのか？　現状はマッキルロイを5打リードしているウェストウッドが優位だが、ゴルフは最後まで何があるかわからない。賞金王にはレース・トゥ・ドバイのボーナスとして約1億3,000万円も与えられる。ビッグマネーのプレッシャーに打ち勝ち、最後に笑うのは誰だ?!