世代交代なるか？　それとも王者が貫禄を見せつけるのか？　世紀の対決が実現する。

　アメリカ独立記念日（現地時間4日）に行われた、タイガー・ウッズ（米）がホストを務める米男子ツアーのAT＆Tナショナル（メリーランド州ベセスダ、コングレッショナルCC）第3ラウンド。ピンフラッグが星条旗に置き換えられたこの日、トーナメントリーダーとしてスタートしたタイガーのチャージが期待されたが、イーグルありダブルボギーありの浮き沈みの激しい内容でイーブンパー70とスコアを伸ばせなかった。2アンダー68で回ったディフェンディング・チャンピオンのアンソニー・キム（米）に通算10アンダーで並ばれ、2人が首位を分け合った。

　以下、今季シニアツアーで1勝を挙げているマイケル・アレン（米）とキャメロン・ベックマン（米）が通算9アンダーで3位タイ。通算8アンダー5位タイにジム・フューリック（米）とロッド・パンプリング（豪）が続いている。ムービングデーに4アンダー66をマークした今田竜二が、通算6アンダーで前日の22位タイから8位タイの好位置に浮上。同じ8位タイにはプロ転向後ツアー6試合目の新鋭ダニー・リー（ニュージーランド）がつけている。

「ずっと夢見てきたことが遂に実現する！」と声を弾ませたのは、タイガーと共にトップタイに立ったキム。08年ここでツアー2勝目を挙げたとき、憧れの人は手術した左ひざのリハビリのため出場していなかった。ポスト・タイガー最有力と言われながら、本家との直接対決は実現しないまま。だが今週遂に念願叶って最終日最終組で対決出来るのだ。

　初日コースレコードを叩き出したキムが首位に立ったとき、すでに周囲はタイガーに「AK（アンソニー・キム）との直接対決を望むか？」との質問をぶつけていた。そのときは「まずは自分を戦えるポジションに置くことが大事。同組で回ることになれば、またその時点で作戦を考えるよ」とさらりと流していた。

　しかし、キムが今季低迷していたことに関しては「あれだけ才能があるんだから、（復調は）時間の問題だと思っていた」と、その実力を高く評価。キムが未勝利だった昨季の初め「そろそろ出番だろう」と背中を押したのもタイガーだった。果たしてポスト・タイガーの旗手は本家の胸を借り、どんな戦いを繰り広げてくれるのか？　ファンならずとも、結末が大いに気になるところだ。