弱冠20歳のスター誕生にゴルフ界が湧いた。

　2013年、プロテストに合格し、ファイナルQT（予選会）を52位で通過した鈴木愛の躍進を予想する人は殆どいなかったはずだ。実際に自身の開幕戦となったヤマハレディースオープン葛城から3試合連続で予選落ち。 LPGAステップ・アップ・ツアーでは、4月に優勝を勝ち取ったが、レギュラーツアーでは結果が残せない日々が続いた。

　しかし、転機となったのは9月の日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯。初日からトップと1打差の2位タイにつけると、2日目に5アンダー67をたたき出して抜け出すと、並みいる実力者を抑えて、ツアー初優勝を公式戦で飾った。同大会では、憧れと話す宮里藍を超える20歳128日での優勝。さらに、公式戦優勝は史上3番目の年少記録となった。

　そして、10月のメジャー大会 日本女子オープンゴルフ選手権競技では優勝争いに絡むなど徐々にツアーの中での存在感が増していく。最終的に、トップ10入りを5度マークし、賞金ランクでは13位に。さらに、LPGAアワード新人賞、GTPA（日本ゴルフトーナメント振興協会）ルーキー・オブ・ザ・イヤー、日本スポーツ大賞新人賞の3つの新人タイトルを獲得した。

　来季の目標を「複数回優勝」と話す鈴木。身長155cmと小柄な身体から放たれる力強いショットを武器に、今シーズン以上の成績を目指す。