ビリー・ホーシェル（米）にとって2014年は、1,000万ドル（約12億円）のビッグ・ボーナスを得て生涯安泰となっただけでなく、初の子供も産まれ、盆と正月が一度に来たような忘れられない一年となったことだろう。

　2013年にツアー初優勝を果たしたホーシェルは、2014年シーズンの躍進が期待されていたが、9月までは決して順調と言えなかった。2勝目どころかトップ5に入ることもなく、予選落ちもしばしば。メジャーでは全米オープンの23位タイが最高で、全英オープンでは予選落ちした。

　フェデックスカップのプレーオフシリーズに入っても、初戦のザ・バークレイズでは予選落ち。しかし、第2戦のドイツ銀行選手権から風向きが一気に変わった。この大会で2位タイに入ると、第3戦のBMW選手権を制し、最終戦のツアー選手権では世界ランキング1位のローリー・マキロイ（北アイルランド）とともに最終組で回りながら、競り勝った。ポイント69位からのごぼう抜きで、ゴルフ界最大の賞金を獲得。第1子誕生の知らせを受けたのは、その2日後だった。

　世界ランクも14位まで浮上したホーシェルは、成功の要因を「自分に対して厳しくしすぎず、ショットの成功の是非を問わずに受け入れることにあった」とメンタル面を指摘。また、スイングコーチのトッド・アンダーソン氏がショートゲームやパットでもコーチとなり、精神面で支えてくれたと称賛した。