フィル・ミケルソン（米）が悲願達成に向けて着々と準備を整えている。

　現地時間12日に第114回 全米オープンがいよいよ開幕する。今年の舞台は1999年、2005年の開催地となったパインハーストNo.2（ノースカロライナ州）。パインハーストは計8コースを有する歴史ある全米を代表するゴルフリゾートで、その中でもNo.2は最も難しく数々のビッグトーナメントで名ドラマを演出してきた米ゴルフ史に残る伝説的コースだ。

　そしておそらく同舞台での全米オープンを一番心待ちにしていたのがミケルソンだろう。99年大会ではペイン・スチュワート（米・故）と最後まで死闘を繰り広げながら、惜しくも敗れており今大会への思いは人一倍強い。さらに全米オープンはこれまであと一歩のところで逃してきたタイトルだ（6度の2位は史上最多）。昨年の全英オープンを制したことでキャリアグランドスラムまで残すはこの大会だけとなってもいるだけに、勝ちたい気持ちはピークに達している。

　2週前にはすでに練習ラウンドを行い、大改造されたパインハーストNo.2をじっくりと下見した。今年は大会翌週に同会場で全米女子オープンが行われるという前代未聞の試みもあるため、コースセッティングなどもいつもと異なる。深いラフという大会の代名詞が消えた分、ミケルソンが過去3勝しているマスターズ（ジョージア州オーガスタナショナルGC）に似ているという声もあり今度こそチャンスかもしれない。