フィル・ミケルソン（米）がコース外での雑音を振り払い、メジャー前哨戦で弾みをつけようとしている。

　米男子ツアーのフェデックス・セントジュード・クラシックは現地時間5日、テネシー州のTPCサウスウインドを舞台に開幕。同大会は1958年にメンフィスオープンとしてスタートし、米ツアーでは13番目に長い歴史を誇る。また、全米オープン（12?15日／ノースカロライナ州パインハーストNo.2）の前週に行われることもあって選手たちの仕上がりにも注目が集まっている。

　先週インサイダー取引疑惑でFBI（連邦捜査局）の捜査対象となったことがわかったミケルソンだが、外野の声をよそにザ・メモリアル・トーナメントではしっかりと予選を通過。49位タイに終わったものの、しっかりと4日間プレーした。「何も間違ったことはしていない」と言い切ったミケルソンは、アクシデントにもめげず着々とシーズン2番目のメジャーへ準備を整えている。

　1999年には今年と同じパインハーストNo.2で行われた全米オープンで優勝に手が届きかけながら、ペイン・スチュワート（米＝故人）に敗れているだけに今年こそはという思いは誰よりも強いはず。さらに昨年全英オープンを制したことで、あとは全米オープンさえ勝てれば史上6人目のキャリア・グランドスラム達成とあって、これまで以上に大一番優勝に情熱を燃やしている。今はとにかくゴルフに集中したい。そんな気持ちに目をぎらつかせながら前哨戦に臨む。

　日本勢は、少ないチャンスでツアーへのカムバックを目指す今田竜二が出場。大会3日前には全米オープンセクショナル・クオリファイング（最終予選）にも挑戦したものの、本戦出場はかなわなかった。オルタネート（補欠）から繰り上がりで出場が決まった今大会だけにその悔しさを晴らしたい。

　他にリー・ウェストウッド（英）、ウェブ・シンプソン（米）、ダスティン・ジョンソン（米）らも参戦。大一番を前に最終調整をもくろみる。